洞庭山
読み どうていさん現地音 ドンティンシャン拼音 Dòngtíngshān別名 洞庭東山、洞庭西山、東山、西山、東山鎮、金庭鎮、太湖、碧螺春、Dongting
蘇州市呉中区、太湖に突き出た東山半島と対岸の西山島の総称で、碧螺春の産地。果樹の間に茶樹を植える茶果間作が特徴で、国家標準は産地を東山鎮と金庭鎮に限定している。湖南省の洞庭湖とは別の場所。
江蘇省蘇州市の西、太湖に突き出た東山半島(東洞庭山)と、対岸に浮かぶ西山島(西洞庭山)をあわせて洞庭山と呼びます。碧螺春の産地として知られ、国家標準(GB/T 18957)は洞庭(山)碧螺春の産地を東山鎮と金庭鎮(西山島)に限定しています。湖南省の洞庭湖とは名前が同じだけで、まったく別の場所です。
茶果間作
洞庭山の茶園は他の産地と大きく違います。枇杷、楊梅、桃、柑橘などの果樹の間に茶樹を植える「茶果間作」という伝統的な作り方で、丘の上から見下ろすと果樹園しか見えず、果樹の下を覗き込んではじめて茶樹が見つかるほどです。果樹が直射日光を遮ることで渋みが少なくうまみの強い茶になるとされ、地元では果物の香りが茶に移るという言い伝えも語られます。この地域の茶業者は果物の商いも兼ね、春は碧螺春を、他の季節は果物を売ります。
湖に囲まれた土地は春先に霧が多く、日中の気温の上がりすぎを抑えつつ夜は冷えるため、芽がゆっくり育つのが品質の理由と説明されます。通説では東山のほうが西山より上とされます。
碧螺春
碧螺春は産毛に包まれた小さな芽を釜で炒りながら螺旋状に巻いた緑茶で、「碧(緑)の螺(巻き貝)の春」が名前の由来です。産毛の多さが品質の証で、そのためには清明節前の一番茶でなければならず、500グラムに6万から8万個の芽が必要とされます。手摘みで、しかも効率の悪い茶果間作の茶園なので手間がかかり、産地でも上質なものは500グラム数万円になります。
摘採後は高温で殺青し、熱いうちに揉んで形を作り、産毛を立たせるように揉んでから弱火で乾かします。穀雨を過ぎて芽が伸びた二番茶は「炒青」と呼ばれる普通の釜炒り緑茶になり、地元の普段飲みの茶として明前茶の10分の1以下の値段で売られます。
訪れる人へ
東山鎮は蘇州市街から50キロほどあり、市バスで2時間かかります。太湖国家級風景名勝区の中でも見どころとされ、陸巷古村などの古い集落が残っています。茶園は碧螺村のような小高い山地にあり、低湿地にも茶園はありますが、山地のものが上質とされます。
この産地の茶葉
- 碧螺春江蘇省蘇州の太湖に浮かぶ洞庭山で作られる緑茶で、龍井と並ぶ中国緑茶の代表。産毛に包まれた小さな芽を釜で炒りながら螺旋状に巻く製法が特徴で、果樹の間で育つ茶果間作の茶園と、清明節前の一番茶だけを碧螺春と呼ぶ厳しさで知られる。
参考リンク
- GB/T 18957-2008 地理标志产品 洞庭(山)碧螺春茶(国家標準) — 産地範囲と製法
- 苏州市人民政府: 苏州唯一 "洞庭山碧螺春"创省优 — 地理標志としての保護と原料の摘採範囲
- 国家发展和改革委员会: 苏州:碧螺春有望量质齐升 — 碧螺春の産地の現状(関連資料)
- 消観茶論 第70回: 碧螺春に見る、二番茶の茶価を10倍上げる方法 — 東山鎮碧螺村の茶園、芽の数、明前茶と二番茶の価格
- HOJO: 碧螺春の茶園を訪ねて — 果樹園の中の茶樹、東山が上とされる通説