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碧螺春(へきらしゅん)

読み へきらしゅん現地音 ビールオチュン拼音 Bìluóchūn別名 洞庭碧螺春、洞庭山碧螺春、Biluochun、Bi Luo Chun、Pi Lo Chun、嚇煞人香

江蘇省蘇州の太湖に浮かぶ洞庭山で作られる緑茶で、龍井と並ぶ中国緑茶の代表。産毛に包まれた小さな芽を釜で炒りながら螺旋状に巻く製法が特徴で、果樹の間で育つ茶果間作の茶園と、清明節前の一番茶だけを碧螺春と呼ぶ厳しさで知られる。

分類緑茶 / 炒青緑茶
産地洞庭山
製法殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)
外観産毛に包まれた小さな芽が螺旋状に細く巻かれ、銀緑色
水色ごく淡い黄緑で、産毛が舞う
香り花や果実を思わせる香りと若葉の香り
うまみと甘みがあり、渋みが少なく柔らかい

江蘇省(こうそしょう)蘇州市、太湖に突き出た洞庭山(どうていさん)で作られる緑茶で、龍井(ろんじん)と並んで中国緑茶の代表とされ、中国十大銘茶に数えられます。緑(碧)の芽が巻き貝(螺)のように巻かれた春の茶、というのが名前の由来です。国家標準(GB/T 18957)は洞庭(山)碧螺春の産地を東山鎮(とうざんちん)金庭鎮(きんていちん)(西山島(せいざんとう))に限定し、特級一等から三級までの等級を定めています。

名前の伝承

もとは洞庭東山の碧螺峰の岩壁に生えた野生の茶で、土地の人は「嚇煞人香」(人を驚かせるほどの香り)と呼んでいました。清の康熙帝が1699年に江南を巡幸した際、献上されたこの茶の名が雅でないとして「碧螺春」と改めた、という話が清代の筆記に記されています。茶摘みの娘が籠に入りきらない芽を懐に入れたところ体温で香りが立った、という民間の伝承もあります。

茶果間作(ちゃかかんさく)

洞庭山の茶園は枇杷(びわ)楊梅(ようばい)、桃、柑橘などの果樹の間に茶樹を植える「茶果間作」で、一見すると果樹園にしか見えません。果樹が直射日光を遮ることで渋みの少ないうまみの強い茶になるとされ、地元では果物の香りが茶に移るという言い伝えも語られます。湖に囲まれた土地は春先に霧が多く、芽がゆっくり育つのが品質の理由と説明されます。通説では東山産が西山産より上とされます。

製法

産毛の多い小さな芽が命で、清明節前の一番茶でなければ産毛に包まれた姿になりません。上質なものは500グラムに6万から8万個の芽が要り、すべて手摘みです。製法は手で炒りながら揉む一気通貫の作業で、高温の殺青、熱いうちに釜の中で揉んで形を作る熱揉成形、手のひらで茶を団子状に揉んで産毛を立たせる搓団顕毫、弱火での乾燥の四段階を、釜から茶を出さずに35〜40分で仕上げます。

穀雨(こくう)を過ぎて芽が伸びた二番茶は碧螺春にはならず、「炒青(しょうせい)」と呼ばれる普段飲みの釜炒り緑茶として明前茶の10分の1以下の値段で売られます。産量が少なく手間がかかるため、産地でも上質な碧螺春は500グラム数万円になります。

楽しみ方

芽が繊細なので、湯を先に注いでから茶葉を入れる上投法で、産毛が舞い芽が沈む様子を眺めながら飲むのが定番です。うまみと甘みが柔らかく、香りは花や果実にたとえられます。市場には他産地の産毛の多い緑茶が「碧螺春」の名で売られることも多く、洞庭山産かどうかを確かめるのが選ぶときの基本です。

碧螺春の淹れ方

背の高いガラスのコップで淹れるのが定番です。産毛が多く芽が繊細なので、先に80℃前後の湯を注いでから茶葉を入れる「上投法」を使う人が多く、芽が沈んでいく様子を眺めながら飲みます。注ぎ出さずに飲み進めて湯を足し、3煎ほど楽しみます。沸騰した湯は避け、洗茶もしません。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

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