中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

龍井(ろんじん)

読み ろんじん現地音 ロンジン拼音 Lóngjǐng中国語 龙井別名 龍井茶、りゅうせい、Longjing、Dragon Well、西湖龍井、獅峰龍井、明前龍井

浙江省杭州の緑茶で、中国緑茶の代表格。釜で炒りながら平たく整える製法と炒り豆のような香りが特徴。国家標準は産地を西湖・銭塘・越州の三産区に分け、西湖産区のものが最上とされる。

分類緑茶
産地浙江省
品種龍井43(ろんじんよんじゅうさん)龍井群体種(ろんじんぐんたいしゅ)
製法殺青(さっせい)
外観扁平に押しつぶした形で、黄緑色に艶がある
水色淡い黄緑で澄んでいる
香り炒った豆や栗のような香ばしさに、若葉の香り
渋みが少なく、甘みとうまみ。上質なものは余韻が長い

浙江省(せっこうしょう)杭州(こうしゅう)西湖周辺で作られる緑茶で、中国十大銘茶に必ず挙げられます。「龍井」は西湖(せいこ)の南西にある村と井戸の名前です。清の乾隆帝(けんりゅうてい)が専用の茶樹18株を持っていたという逸話があり、現代でも国家の贈答用の茶(国礼茶)として扱われてきたことが、中国で最も有名な緑茶になった背景にあります。

産地の区分

龍井茶は地理標志産品として国家標準(GB/T 18650)で産地が定められており、杭州市、紹興市、金華市、台州市の4市18県区に及びます。標準はこれを三つの産区に分けています。

産区範囲位置づけ
西湖産区杭州市西湖区の西湖周辺最上とされ「西湖龍井」を名乗れる
銭塘産区杭州市の西湖産区以外
越州産区紹興市など杭州市以外三産区の生産量の約6割

西湖産区の中でも獅峰(しほう)、龍井村、雲栖(うんせい)虎跑(こほう)梅家塢(ばいかう)などの村ごとに評価が分かれ、獅峰産が最上とされます。西湖龍井は模倣品が多い茶の代表でしたが、2016年ごろから杭州市の管理協会が地理的表示の権利を強く行使するようになり、本物の流通量に対して市場に出回る量が依然として桁違いに多いものの、取り締まりは厳しくなっています。

品種

国家標準で認められた品種は龍井群体種(在来の実生(みしょう))、龍井43、龍井長葉、迎霜(げいそう)、鳩坑種などです。龍井43は芽の出るのが早く形がそろうため主流になっていますが、在来の群体種(ぐんたいしゅ)は味の厚みで評価する人が多く、獅峰の実生の茶が珍重されます。

製法

釜で炒る炒青(しょうせい)殺青(さっせい)が特徴で、炒りながら手のひらで押しつけて平たく整えます。手工製法では「抓・抖・搭・榻・捺・推・扣・甩・磨・圧」と呼ばれる十の手つきがあり、国家標準にも記載されています。仕上げにもう一度炒る「輝鍋(きか)」で香ばしさと艶が出ます。現在は機械で成形するものが大半です。

摘採時期と等級

清明節(4月5日ごろ)より前に摘む明前(めいぜん)が最上とされ、穀雨(4月20日ごろ)前の「雨前(うぜん)」がそれに続きます。芽が小さいほど摘採に手間がかかり、人件費の上昇が価格を押し上げています。

読みについて

日本では慣用的に「ろんじん」と中国語に近い読みで呼ばれることが多く、このサイトでもそれに従っています。音読みでは「りゅうせい」です。

龍井の淹れ方

湯を少し冷まして(80℃台)淹れるのが一般的で、沸騰したての湯だと苦みや渋みが出やすいとされます。背の高いガラスのコップに茶葉を入れて湯を注ぎ、蓋をせずに葉が開いて沈む様子を眺めながら飲む方法が定番です。注ぎ出さずに飲み進め、減ったら湯を足す(留根)のが多いやり方で、蓋碗で煎ごとに注ぎ出す人もいます。洗茶はしません。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

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