中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

西湖(せいこ)

読み せいこ現地音 シーフー拼音 Xīhú別名 西湖区、杭州西湖、西湖龍井、獅峰、龍井村、梅家塢、雲栖、虎跑、Xihu、West Lake

杭州市西湖区の西湖を囲む丘陵地で、西湖龍井の産地。市の条例で一級・二級の保護区が定められ、獅峰・龍井・雲栖・虎跑・梅家塢(獅龍雲虎梅)が核心の一級保護区。1991年開館の中国茶葉博物館もここにある。

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浙江省と主な産地。地図データ: Natural Earth

浙江省(せっこうしょう)杭州市の西湖区、西湖の西から南に広がる丘陵地で、龍井(ろんじん)の中でも最上とされる西湖龍井の産地です。西湖は2011年に「杭州西湖の文化的景観」として世界遺産に登録され、その景観の一部として茶園が含まれています。

保護区

龍井茶の国家標準(GB/T 18650)は産地を西湖・銭塘(せんとう)越州(えっしゅう)の三産区に分け、西湖産区のものだけが「西湖龍井」を名乗れます。杭州市はさらに条例で西湖龍井の茶園を一級保護区と二級保護区に分けています。

区分範囲位置づけ
一級保護区西湖風景名勝区の内側。東は南山湾(なんざんわん)、西は霊隠(れいいん)梅家塢(ばいかう)、南は梵村(ぼんそん)、北は新玉泉(しんぎょくせん)まで核心産地。獅峰(しほう)、龍井村、雲栖(うんせい)虎跑(こほう)、梅家塢の「獅龍雲虎梅(しりゅううんこばい)」を含む
二級保護区風景区の外側の龍塢(りゅうう)留下(りゅうか)転塘(てんとう)周浦(しゅうほ)など西湖龍井を名乗れるが一級とは区別

獅龍雲虎梅は古くからの産地の呼び名で、中でも獅峰産が最上とされます。獅峰には在来の実生(みしょう)の茶樹(群体種(ぐんたいしゅ))が残り、龍井43が主流になった現在も味の厚みで珍重されます。

歴史と政治

清の乾隆帝(けんりゅうてい)が龍井村を訪れ、獅峰山下の茶樹18株を御茶に指定したという逸話は西湖龍井の代名詞です。新中国になってからは、人民大会堂で供される茶、国家が外国の要人に贈る国礼茶として特別な扱いを受け、周恩来(しゅうおんらい)は梅家塢村に5回訪れて外国の賓客をもてなしました。梅家塢には周恩来の記念室があります。

1991年には中国初の茶の専門博物館である中国茶葉博物館(ちゅうごくちゃようはくぶつかん)双峰(そうほう)に開館し、龍井の産地そのものが茶文化の発信地になりました。2000年代以降、梅家塢は茶文化村として整備され、龍井村や獅峰は観光客で賑わっています。

ブランドと模倣品

西湖龍井は模倣品の最も多い茶の代表でした。産地の外の龍井茶はもちろん、四川(しせん)安徽(あんき)の緑茶が西湖龍井として売られることも珍しくありませんでした。2016年ごろから杭州市西湖龍井茶管理協会が地理的表示の権利を強く行使し、無許可でブランドを使う業者への訴訟や通報、大手小売店からの商品引き上げを進めた結果、模倣品は減り、価格は上昇しています。それでも本物の生産量が年500トン程度なのに対し、市場に出回る「西湖龍井」は推計10万トンとされ、差は依然として大きいままです。

訪れる人へ

西湖のほとりには景色を眺めながら茶を飲む茶館が多く、龍井の産地まで市内からバスで行けます。清明節前後の茶摘みの時期は最も賑わい、茶農家が軒先で新茶を売っています。

この産地の茶葉

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