浙江省
読み せっこうしょう現地音 ジョージャン拼音 Zhèjiāng別名 浙江、浙、杭州、西湖、Zhejiang
中国東部、長江の下流にあり東シナ海に面した省で、省都は杭州です。四季のはっきりした亜熱帯の気候で、丘陵と山地が多く、江南茶区の中心にあたります。中国で最も経済活動の盛んな省のひとつでもあります。
緑茶の省
浙江は緑茶の省です。2023年の茶園面積は約312万畝(約21万ヘクタール)、生産量は20万トン余りで、そのうち緑茶が生産量・産値ともに9割近くを占めます。名優茶(高級茶)の産値が全体に占める割合は中国一で、量より質で稼ぐ産地です。
| 茶 | 産地 | 内容 |
|---|---|---|
| 龍井 | 杭州を中心に4市18県区 | 中国緑茶の代表。西湖・銭塘・越州の三産区 |
| 安吉白茶 | 湖州市安吉県 | 名前は白茶だが緑茶。葉緑素の少ない品種「白葉1号」で作り、アミノ酸が多い。1990年代からのブランド |
| 径山茶 | 杭州市余杭区 | 径山寺の茶。日本の茶道との縁が語られる |
| 顧渚紫笋 | 湖州市長興県 | 唐代の貢茶 |
| 九曲紅梅 | 杭州市西湖区 | 緑茶の産地に残る紅茶 |
杭州と茶
杭州は南宋の都で、西湖の周辺は古くから茶の産地でした。清の乾隆帝が龍井村を訪れ茶樹を指定したという逸話があり、新中国になってからも西湖龍井は国家の贈答用の茶として特別扱いされ、周恩来が梅家塢村に外国の要人を案内したことでも知られます。1991年には中国初の茶の専門博物館である中国茶葉博物館が龍井の産地の中心に開館し、2005年に杭州は「中国茶都」の認定を受けました。
西湖龍井は模倣品の多い茶の代表でもあり、2016年ごろから杭州市の管理協会が地理的表示の権利を強く行使して取り締まりを進めています。本物の生産量に対して市場に出回る量は依然として桁違いに多いとされます。
新茶の季節
浙江の新茶シーズンは3月中旬から始まり、清明節前の明前茶が最も高く取引されます。近年は温暖化で開園が早まる傾向があり、早生品種の導入も進んでいます。摘採の人件費の上昇が高級緑茶の価格を押し上げているのは浙江でも同じです。
下位の産地
この産地の茶葉
- 安吉白茶浙江省湖州市安吉県の緑茶で、名前に白茶とあるが萎凋で作る白茶ではなく殺青して作る。春の低温で葉が白くなる品種の白葉1号を原料にするため、アミノ酸が多くうまみが際立って渋みがほとんどない。
- 径山茶浙江省杭州の径山で作られる緑茶で、宋代に寺で行われた径山茶宴が日本の茶道の源流とされる。現在の茶は細く巻いて産毛の多い烘青緑茶で、香りが澄んで渋みが少なく甘く、禅の茶として売り出されている。
- 九曲紅梅浙江省杭州市西湖区の双浦周辺で作られる工夫紅茶で、西湖龍井と並んで杭州の一紅一緑と呼ばれる。清代に福建から伝わった製法が起源とされ、水色が紅梅の色に似ることが名前の由来で、生産量が少なく杭州でも見かけにくい。
- 菊花茶乾燥した菊の花を湯に浮かべて飲む茶外茶で、中国の茶館やレストランで最も身近な飲み物のひとつ。浙江の杭白菊と安徽の黄山貢菊が二大産地で、目によいとされ、クコと合わせた杞菊茶や普洱熟茶と合わせた菊普も定番。
- 龍井浙江省杭州の緑茶で、釜で炒りながら手で押して平たく整える製法から扁平な葉と炒り豆の香りが生まれる。国家標準は産地を区分し、西湖産区のものだけが西湖龍井を名乗れる。
参考リンク
- 浙江新闻: 2023年浙江名优茶产值比重居全国之首 — 茶園面積、生産量、緑茶の割合、龍井茶の規模
- GB/T 18650-2008 地理标志产品 龙井茶(国家標準) — 龍井茶の三産区
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