中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

径山茶(けいざんちゃ)

読み けいざんちゃ現地音 ジンシャンチャ拼音 Jìngshān chá中国語 徑山茶別名 径山毛峰、徑山茶、径山茶宴、Jingshan Tea

浙江省杭州市余杭区の径山で作られる緑茶。唐代に径山寺を開いた法欽が茶を植えたと伝えられ、宋代に寺で行われた径山茶宴は日本の茶道の源流とされる。陸羽が近くに隠棲して茶経を著したとも言われる茶の聖地で、現在の径山茶は細く巻いた産毛の多い烘青緑茶。径山茶宴は国家級無形文化遺産。

分類緑茶 / 烘青緑茶
産地浙江省
製法殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)
外観細く巻いて産毛が多く、翠緑色
水色澄んだ緑がかった黄
香り清らかで澄んだ香り
鮮やかで甘く、まろやか。渋みは少ない

浙江省(せっこうしょう)の杭州市余杭区、天目山の東に連なる径山で作られる緑茶です。唐の天宝年間に径山寺(きんざんじ)(径山万寿禅寺)を開いた法欽(ほうきん)が茶を植えて仏に供えたのが始まりと伝えられ、[luyu]が径山の麓の苕渓(しょうけい)に隠棲して『茶経(ちゃきょう)』を著したという話も残る、茶の歴史では名高い土地です。宋代には径山寺が禅宗五山の筆頭となり、茶は寺とともに栄えました。

径山茶宴と日本の茶道

宋代の径山寺では、客を迎えるときに堂で茶を点てて振る舞う径山茶宴が行われていました。茶榜(ちゃぼう)を掲げ、茶鼓(ちゃこ)を打ち、香を焚いて仏を礼し、湯を沸かして茶を点て、盞を回して分け、偈を唱えて茶を飲む、十余りの儀式からなる茶会です。南宋(なんそう)に径山で学んだ日本の僧たち(円爾(えんに)など)がこの作法と茶器を持ち帰り、日本の茶道の源流になったとされます。径山茶宴は2011年に国家級無形文化遺産に登録され、2022年のユネスコ登録「中国伝統製茶技術とその関連習俗」の構成要素にもなりました。

現在の径山茶

宋代の径山の茶は蒸して固める団茶でしたが、明代以降は散茶(さんちゃ)になり、現在の径山茶は細く巻いて産毛の多い烘青緑茶(こうせいりょくちゃ)です。清明の前後に一芽一葉から一芽二葉を摘み、小さな釜で殺青、扇いで冷まし、軽く揉み、焙って乾かします。翠緑色で香りが澄み、味は鮮やかで甘く、渋みが少ないのが特徴です。径山茶は2014年に地理標志産品に、2019年に農産物地理標志に登録され、余杭(よこう)の看板になっています。

楽しみ方

少し冷ました湯でガラスのコップか蓋碗に淹れます。径山では茶宴を再現した体験や寺の見学と合わせて茶を楽しむ観光が整えられ、杭州(こうしゅう)の龍井とは違う「禅の茶」として売り出されています。日本の茶道の源流を訪ねる日本人の訪問も多い場所です。

径山茶の淹れ方

少し冷ました湯(80℃前後)でガラスのコップか蓋碗に淹れる人が多いです。産毛が多いので上投法か中投法にし、注ぎ出さずに湯を足して3煎ほど楽しみます。洗茶はしません。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク