中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

江蘇省(こうそしょう)

読み こうそしょう現地音 ジャンスー拼音 Jiāngsū中国語 江苏省別名 江蘇、江苏、蘇、蘇州、太湖、宜興、Jiangsu

長江下流の低平な省で、蘇州の太湖に浮かぶ洞庭山の碧螺春が代表。茶の生産量は小さいが、南京雨花茶や宜興の紅茶、紫砂茶壺の産地でもあり、茶館文化の根づいた土地。

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江蘇省と主な産地。地図データ: Natural Earth

長江の下流、東シナ海に面した省で、省都は南京です。省の大半が海抜50メートル未満の平野と水域で、「水郷の江蘇」と呼ばれます。温帯と亜熱帯の境にあり、南部の太湖周辺が茶の産地です。四大茶区(しだいちゃく)では北部が江北茶区(こうほくちゃく)、南部が江南茶区(こうなんちゃく)にまたがります。

茶の産地としての規模

江蘇は茶の大産地ではありません。茶園面積は3万ヘクタール余り、生産量は年1万トン程度で、浙江や福建の20分の1ほどです。そのぶん量より質で知られ、少数の名茶が高い評価を受けています。

産地内容
洞庭碧螺春蘇州市呉中区洞庭山(どうていさん)産毛に包まれた小さな芽を螺旋状に巻いた緑茶。中国十大銘茶のひとつ
南京雨花茶南京市松葉のようにまっすぐな緑茶。1950年代に生まれた
金壇雀舌(きんだんじゃくぜつ)常州市金壇区雀の舌のような小さな芽の緑茶
無錫毫茶(むしゃくごうちゃ)無錫市産毛の多い緑茶
宜興紅茶無錫市宜興江南に残る紅茶の産地

蘇州と洞庭山

蘇州の西、太湖に突き出た東山半島(とうざんはんとう)と対岸の西山島(せいざんとう)を洞庭山と呼び、ここで作られる碧螺春(へきらしゅん)は龍井と並ぶ中国緑茶の代表です。洞庭山の茶園は枇杷(びわ)楊梅(ようばい)、桃といった果樹の間に茶樹を植える「茶果間作(ちゃかかんさく)」で、一見すると果樹園にしか見えません。果樹が直射日光を遮ることで渋みの少ない茶になるとされ、地元では果物の香りが茶に移るという言い伝えも語られます。

碧螺春は清明節前の小さな芽で作る茶で、500グラムに6万から8万個の芽が要るとされます。そのため明前茶は高価で、穀雨を過ぎた二番茶は普通の釜炒り緑茶として10分の1以下の値段で売られます。

宜興(ぎこう)紫砂(しさ)

太湖の西岸にある宜興は、紫砂茶壺の産地として中国茶の世界では茶以上に有名です。宜興でしか採れない紫砂の土で作る茶壺(ちゃこ)は保温性と通気性を兼ね備え、烏龍茶や黒茶を淹れる茶壺の代名詞になっています。

茶館の文化

蘇州には茶館でゆっくり時間を過ごすことを「卵を孵す」になぞらえて「孵茶館(ふちゃかん)」と呼ぶ言葉があり、庭園の中の茶館や、蘇州方言の語り物「評弾(ひょうだん)」を聴きながら茶を飲む茶館が続いています。茶館で飲まれるのはもっぱら地元の碧螺春で、西湖龍井や安吉白茶(あんきつはくちゃ)がそれに続きます。

下位の産地

この産地の茶葉

参考リンク