中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

六安瓜片(ろくあんかへん)

読み ろくあんかへん現地音 リウアングァピェン拼音 Lù'ān Guāpiàn別名 Liu'an Guapian、瓜片、片茶、斉山雲霧

安徽省六安市(金寨・霍山)の緑茶で、中国十大銘茶のひとつ。芽と茎を取り除いた葉だけで作る世界でも珍しい片茶で、炭火の籠を担いで往復する「拉老火」という最後の火入れが独特。製法は2008年に国家級無形文化遺産に登録された。

分類緑茶 / 烘青緑茶
産地安徽省
製法殺青(さっせい)
外観芽も茎もない一枚ずつの葉が瓜の種のように反り返り、深緑に白い霜のような艶
水色黄緑で澄んでいる
香り炭火で仕上げた香ばしさと清らかな香り
しっかりとした濃さと甘み、キレのある後味。苦みや渋みは少ない

安徽省(あんきしょう)西部、大別山の北麓にある六安市の裕安区、金寨県、霍山県の境界一帯で作られる緑茶で、中国十大銘茶のひとつです。原産地は金寨県の斉頭山(せいとうざん)で、山中の蝙蝠洞(へんぷくどう)の周辺が最上の産地とされ、もとは「斉山雲霧」と呼ばれていました。明代から知られ、清代には貢茶として宮廷に納められた記録が故宮博物院に残っています。

芽も茎もない葉だけの茶

六安瓜片の最大の特徴は、芽を使わず、茎も取り除いた一枚ずつの葉だけで作ることです。高級緑茶が若い芽を競う中で、葉だけで作る茶は世界的にも珍しいとされます。摘採は穀雨(こくう)のころで、一芽二葉から一芽三、四葉を摘んだあと、「扳片」という作業で芽と茎を外し、若い葉、成熟した葉、茎に分けてそれぞれ別に加工します。芽を除くことで青臭さがなくなり、木質化した茎を除くことで濃くても苦くなく、香っても渋くならない、と説明されます。仕上がった葉は瓜(ヒマワリの種)のように反り返り、これが名前の由来です。

拉老火

製法は扳片、炒片、烘焙(こうばい)からなり、2008年に国家級無形文化遺産に登録されました。炒片は生鍋(せいか)(180〜200℃)と熟鍋(じゅくか)(160〜180℃)の二段階で、烘焙は毛火、小火、老火と温度を上げながら三度行います。最後の「拉老火」が六安瓜片を六安瓜片たらしめる工程で、茶を入れた大きな籠を二人で担ぎ、燃え盛る炭火の上を一往復ごとに乗せては外すことを80回以上繰り返します。踊りのようなこの作業で葉の表面に白い霜のような艶が出て、香ばしい香りと濃い味が生まれます。中国の製茶技術の中でも独特のものとされます。

味の性格

葉が成熟しているぶん味が濃く、しっかりとした甘みとキレのある後味があり、炭火の香ばしさがのります。若い芽の緑茶のような繊細さはありませんが、飲みごたえがあり、緑茶が薄いと感じる人に向きます。

楽しみ方

蓋碗かガラスのコップで、緑茶としては高めの湯温で淹れる人が多いです。安徽(あんき)の緑茶は穀雨のころに出回るため、新茶の時期は龍井や碧螺春(へきらしゅん)より遅めです。斉山蝙蝠洞産は等級を分けて高値で取引され、他産地の片茶が六安瓜片の名で売られることもあるので、産地を確かめるのが選ぶときの基本です。

六安瓜片の淹れ方

蓋碗かガラスのコップで、80〜90℃の湯で淹れる人が多いです。葉がやや成熟しているので緑茶の中では高めの湯温でもよく、1煎目は1分ほど置き、3〜4煎楽しみます。洗茶はしません。味がしっかりしているので、緑茶が薄いと感じる人に向く茶です。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

参考リンク