安徽省
読み あんきしょう現地音 アンホイ拼音 Ānhuī別名 安徽、皖、徽州、黄山、Anhui
長江と淮河が東西に流れる内陸の省で、省都は合肥です。省を横断する淮河を境に気候が変わり、北は温帯、南は亜熱帯に属します。四大茶区でも北部が江北茶区、南部が江南茶区にまたがり、名茶はほぼすべて南部の黄山周辺と西部の大別山に集まっています。南部は旧徽州で、徽商と呼ばれた商人の活躍した土地でもあります。
十大銘茶のうち四つ
安徽は中国十大銘茶のうち四つを産する唯一の省とされます。
| 茶 | 産地 | 内容 |
|---|---|---|
| 黄山毛峰 | 黄山 | 一芽一葉の烘青緑茶。「魚葉」と呼ばれる黄金色の小葉が混じるのが特徴 |
| 太平猴魁 | 黄山市黄山区 | 大きな葉を押し花のように平たく伸ばした緑茶。在来種の柿大茶で作る |
| 六安瓜片 | 六安市(金寨・霍山) | 芽を使わず葉だけで作る珍しい緑茶。斉頭山の蝙蝠洞が原産地とされる |
| 祁門紅茶 | 祁門 | 1875年に生まれた紅茶。世界三大紅茶に数えられる |
ほかに黄茶の霍山黄芽、霍山黄大茶、緑茶の涌渓火青、そして茶ではありませんが黄山貢菊(菊花茶)も安徽の名産です。
大きいが強くない
安徽の茶園面積は320万畝(約21万ヘクタール)、荒茶の生産量は年18万トン余りで、産地としての規模は大きい一方、ブランド力や産業化では浙江や福建に後れを取っている、と地元でも指摘されています。名茶がそれぞれ小さな産地に分かれているためです。
製法の文化遺産
祁門紅茶の製法は2008年に国家級無形文化遺産に登録され、黄山毛峰、太平猴魁、六安瓜片の製法も同様に登録されています。祁門紅茶場の等級区分(特貢、貢茶、礼茶、特茗、特級など)は祁門紅茶の標準として扱われてきました。
地理と観光
奇岩と雲海で知られる黄山は1990年に世界遺産に登録され、その麓の黄山市が茶の中心です。黄山に近い績渓から杭州へ抜ける徽杭古道は、徽州の茶や商人が浙江へ向かった道です。安徽料理は中国八大料理のひとつで、三国志の曹操や名医の華佗の出身地でもあります。
下位の産地
この産地の茶葉
- 黄山毛峰安徽省黄山市周辺で作られる、殺青のあと熱風や炭火で乾かす烘青緑茶で、中国十大銘茶のひとつ。清の光緒年間に始まったと伝えられ、芽の根元に混じる金色の魚葉と象牙色の葉が上質の目印で、蘭にたとえられる清らかな香りを持つ。
- 霍山黄芽安徽省六安市霍山県の黄茶で、一芽一葉から一芽二葉を殺青のあと悶黄を経て仕上げる黄芽茶。唐代の貢茶に名が見える古い名前で、芽だけの黄芽茶より葉を含むぶん味がしっかりし、栗のような香ばしさがある。
- 六安瓜片安徽省六安市の大別山北麓で作られる、芽も茎もない葉だけの緑茶で、中国十大銘茶のひとつ。葉だけで作る茶は世界的にも珍しく、炭火の上に籠を乗せ外しを繰り返す拉老火という火入れで白い霜のような艶と香ばしさが生まれる。
- 祁門紅茶安徽省黄山市祁門県の工夫紅茶で、世界三大紅茶のひとつとしてキームンの名で知られる。低温で長時間火入れする仕上げが蘭や蜜にたとえられる祁門香を作り、蓋碗で短く淹れてもポットで抽出してもよい。
- 太平猴魁安徽省黄山市黄山区の烘青緑茶で、二葉が一芽を抱いた形のまま押し花のように平たく伸ばした独特の姿。在来の大葉品種の若い芽葉を使い、蘭のような香りと渋みのない長い余韻(猴韻)があり、中国十大銘茶に数えられる。
参考リンク
- 中国网: 名茶汇聚的安徽,何以大而不强? — 四大名茶の特徴と2024年の茶園面積・生産量
- GB/T 19460-2008 地理标志产品 黄山毛峰茶(国家標準) — 黄山毛峰の産地範囲
- 中国非物质文化遗产网: 红茶制作技艺(祁门红茶制作技艺) — 祁門紅茶の製法(2008年国家級無形文化遺産)
- 故宫博物院: 六安瓜片 — 六安瓜片と清代の貢茶
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