中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

安徽省(あんきしょう)

読み あんきしょう現地音 アンホイ拼音 Ānhuī別名 安徽、皖、徽州、黄山、Anhui

長江と淮河の中下流の省で、中国十大銘茶のうち黄山毛峰・六安瓜片・太平猴魁・祁門紅茶の四つを産する。淮河を境に北は江北茶区、南は江南茶区で、南部の黄山周辺が名茶の集まる中心。

安徽省北京市重慶市福建省広東省甘粛省広西チワン族自治区貴州省河南省湖北省河北省海南省黒竜江省湖南省吉林省江蘇省江西省遼寧省内モンゴル自治区寧夏回族自治区青海省四川省山東省上海市陝西省山西省天津市新疆ウイグル自治区チベット自治区雲南省浙江省台湾黄山黄山祁門祁門
安徽省と主な産地。地図データ: Natural Earth

長江と淮河(わいが)が東西に流れる内陸の省で、省都は合肥(ごうひ)です。省を横断する淮河を境に気候が変わり、北は温帯、南は亜熱帯に属します。四大茶区(しだいちゃく)でも北部が江北茶区(こうほくちゃく)、南部が江南茶区(こうなんちゃく)にまたがり、名茶はほぼすべて南部の黄山周辺と西部の大別山に集まっています。南部は旧徽州で、徽商(きしょう)と呼ばれた商人の活躍した土地でもあります。

十大銘茶のうち四つ

安徽は中国十大銘茶のうち四つを産する唯一の省とされます。

産地内容
黄山毛峰(こうざんもうほう)黄山(こうざん)一芽一葉の烘青緑茶。「魚葉(ぎょよう)」と呼ばれる黄金色の小葉が混じるのが特徴
太平猴魁(たいへいこうかい)黄山市黄山区大きな葉を押し花のように平たく伸ばした緑茶。在来種の柿大茶(しだいちゃ)で作る
六安瓜片(ろくあんかへん)六安市(金寨(きんさい)霍山(かくざん))芽を使わず葉だけで作る珍しい緑茶。斉頭山(せいとうざん)蝙蝠洞(へんぷくどう)が原産地とされる
祁門紅茶(きもんこうちゃ)祁門(きもん)1875年に生まれた紅茶。世界三大紅茶に数えられる

ほかに黄茶の霍山黄芽(かくざんこうが)霍山黄大茶(かくざんこうだいちゃ)、緑茶の涌渓火青(ゆうけいかせい)、そして茶ではありませんが黄山貢菊(菊花茶)も安徽の名産です。

大きいが強くない

安徽の茶園面積は320万畝(約21万ヘクタール)、荒茶の生産量は年18万トン余りで、産地としての規模は大きい一方、ブランド力や産業化では浙江や福建に後れを取っている、と地元でも指摘されています。名茶がそれぞれ小さな産地に分かれているためです。

製法の文化遺産

祁門紅茶の製法は2008年に国家級無形文化遺産に登録され、黄山毛峰、太平猴魁、六安瓜片の製法も同様に登録されています。祁門紅茶場の等級区分(特貢、貢茶、礼茶、特茗、特級など)は祁門紅茶の標準として扱われてきました。

地理と観光

奇岩と雲海で知られる黄山は1990年に世界遺産に登録され、その麓の黄山市が茶の中心です。黄山に近い績渓(せきけい)から杭州(こうしゅう)へ抜ける徽杭古道(きこうこどう)は、徽州(きしゅう)の茶や商人が浙江へ向かった道です。安徽料理は中国八大料理のひとつで、三国志の曹操(そうそう)や名医の華佗(かだ)の出身地でもあります。

下位の産地

この産地の茶葉

参考リンク