中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

太平猴魁(たいへいこうかい)

読み たいへいこうかい現地音 タイピンホウクイ拼音 Tàipíng Hóukuí別名 Taiping Houkui、猴魁、猴魁茶

安徽省黄山市黄山区の猴坑村を核心産地とする緑茶で、中国十大銘茶のひとつ。在来種の柿大茶の大きな葉を「二葉抱一芽」のまま押し花のように平たく伸ばした独特の姿と、蘭のような香り、長い余韻が特徴。1900年ごろに生まれた比較的新しい名茶。

分類緑茶 / 烘青緑茶
産地黄山
品種柿大茶(しだいちゃ)
製法殺青(さっせい)
外観二葉が一芽を抱いた形のまま平たくまっすぐ伸ばされ、長さ5〜7センチ。押し花のように見え、深緑に赤い葉脈が透ける
水色淡い黄緑で澄んでいる
香り蘭にたとえられる花の香り。作りによって甘い香りが強くなる
すっきりとした甘みとうまみ、渋みがなく、余韻が長い。「猴韻」と呼ばれる

安徽省(あんきしょう)黄山市黄山区(旧太平県)で作られる緑茶で、中国十大銘茶のひとつです。国家標準(GB/T 19698)は太平猴魁を「二葉一芽、扁平で挺直、大きく重く、蒼緑色で、蘭の香りが高く、味が甘醇」な茶と定義し、産地を猴坑村、猴崗村、新昌村など黄山区の7つの村に限定しています。核心産地は猴坑(こうこう)で、1900年ごろに生まれた比較的新しい名茶です。

姿

太平猴魁の見た目は中国緑茶の中でも独特で、二枚の葉が一つの芽を抱いた「二葉抱一芽」の形のまま、一枚一枚を押し花のように平たくまっすぐ伸ばします。長さは5〜7センチほどあり、深緑の葉に赤い葉脈が透けて見えます。大きな葉を使っていると思われがちですが、原料は在来種の[shidacha]という葉の大きい品種の若い芽葉で、成長した葉というより品種の性質です。

製法

摘採(揀尖)、摊放、殺青(理条)、そして三度に分けた烘焙(こうばい)(頭烘・二烘・足火(そくか))で仕上げます。殺青の釜で葉をまっすぐに整え、網の間に葉を並べて押さえながら炭火で乾かすことで、平たい姿ができます。手作業が多く、上級品ほど一枚ずつ形を整えます。等級は極品、特級、一級、二級、三級です。

香りと味

香りは蘭にたとえられますが、殺青と烘焙の熱の加減で性格が変わり、熱を強めにかけると飴のような甘い香りが、弱めなら花の香りが立ちます。味はすっきりとした甘みとうまみで渋みがなく、余韻が長いのが特徴で、これを猴韻と呼びます。標高の高い茶園のものは後味が濃く、特貢(とっこう)などの上位等級で区別されます。若い芽だけの緑茶より成長した葉を使うため、飲みごたえがあり、日本の煎茶や軽い烏龍茶を連想する人もいます。

楽しみ方

葉が長いので、背の高いガラスのコップに葉を立てて湯を注ぎ、開く姿を眺めながら飲むのが定番です。窒素肥料でうまみを強くした茶ではなく、ポリフェノールによるすっきりした味と香りを楽しむ茶なので、沸騰した湯で短時間淹れると香りが立つ、という淹れ方もあります。湯冷ましで水出しにしても香りがよく出ます。安徽(あんき)の緑茶は穀雨(こくう)のころに出回るため、龍井や碧螺春(へきらしゅん)より新茶の時期が遅めです。

太平猴魁の淹れ方

葉が長いので、背の高いガラスのコップに葉を立てるように入れて湯を注ぐのが定番で、葉が開く姿を眺めながら飲みます。湯温は少し冷ます人と、香りを引き出すために沸騰した湯で短く淹れる人の両方がいます。注ぎ出さずに湯を足しながら飲むのが一般的で、洗茶はしません。水出しにしても美味しい茶として知られます。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

参考リンク