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十大名茶(じゅうだいめいちゃ)

読み じゅうだいめいちゃ現地音 シーダーミンチャー拼音 shídà míngchá別名 中国十大名茶、中國十大名茶、中国十大名茶、名茶、China's ten famous teas、Ten Famous Teas

中国の有名な茶を10種選んで並べた呼び名です。茶の本や商品説明で「十大名茶のひとつ」とよく書かれますが、国や業界団体が「十大名茶」として定めた一覧はありません。よく引かれる顔ぶれはおおむね決まっているものの、選ぶ人や時代によって数種が入れ替わります。

よく引かれる顔ぶれ

もっとも広く流布しているのは次の10種で、1959年の全国評比で選ばれたと語られることが多い組み合わせです。緑茶が6種と多く、黄茶・青茶・紅茶が少しずつ入ります。

別の版では、廬山雲霧や君山銀針の代わりに太平猴魁(たいへいこうかい)、都匀毛尖(とうきんもうせん)、蒙頂甘露(もうちょうかんろ)、恩施玉露(おんしぎょくろ)、普洱生茶(ぷーあるしょうちゃ)、茉莉花茶(まつりかちゃ)などが入ります。1999年の『解放日報』、2001年のAP通信、2002年の香港『文匯報』がそれぞれ違う10種を載せたことが知られており、「十大名茶」が固定された一覧ではないことの証拠としてよく引かれます。

由来をめぐる話

伝承では、1915年のパナマ太平洋万国博覧会で中国茶10種が選ばれたのが始まりとされ、また1959年に全国「十大名茶」評比会が開かれたとも書かれます。ただし史料上は、どちらも裏づけが弱いことが指摘されています。1915年の博覧会で中国茶が受賞したこと自体は事実ですが、当時の代表団の記録に「十大名茶」という選定はなく、受賞は省や出品した商号の単位でした。1959年の評比会についても、具体的な文献や当時の報道が見つからず、同じ文章が書き写されて広まったものと見られています。

史料で確かめられる公的な名茶の評選は1982年からです。1982年6月に商業部が湖南省長沙で建国後初の全国名茶評選会を開き、82の茶様から30種を名茶に選びました。1986年には43種を選んでいます。いま「十大名茶」として流布している一覧の多くは、この30種の上位が切り出されて伝わったものと考えられています。産地ごとに貢茶(こうちゃ)の歴史や伝説が語られる背景は、六大茶類は誰が作ったか。統購統銷から「科学で茶を評価する」時代までにまとめています。

近年の例では、2017年5月に農業部と浙江省が杭州で開いた首届中国国際茶葉博覧会で、「中国十大茶葉区域公用品牌」として西湖龍井、信陽毛尖、安化(あんか)の安化黒茶、蒙頂山茶、六安瓜片、安渓鉄観音、普洱茶、黄山毛峰、武夷岩茶、都匀毛尖の10が選ばれました。公的な場で10の産地が選ばれた数少ない例ですが、これは産地ブランドの評価であって「十大名茶」を名乗ったものではありません。

どう読むか

「十大名茶に数えられる」という説明は、歴史の長さと知名度の目安であって、目の前の茶の品質を保証するものではありません。名の知れた茶ほど他産地の茶が名前を借りて流通しやすく、西湖龍井や安渓鉄観音のように地理標志(ちりひょうし)で産地の範囲を定めているものが多いのはそのためです。このサイトでは、各茶のページで「十大名茶に数えられる」と書くときは、この語がそうした流動的な一覧を指していることを前提にしています。

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