中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

地理標志(ちりひょうし)

読み ちりひょうし現地音 ディーリービアオジー拼音 dìlǐ biāozhì中国語 地理标志 / 地理標誌別名 地理的表示、地理標志産品、地理标志产品、GI、国家標準、国标、GB/T、産地認証、原産地保護

特定の産地に由来する品質や評判を持つ産品の名前を保護する制度。中国では龍井茶、安渓鉄観音、武夷岩茶、普洱茶など多くの茶が地理標志産品として国家標準を持ち、産地の範囲、品種、製法、等級を定めている。名前を守る仕組みだが、表示の運用は緩く、標準を読めば茶の定義が分かる資料として役立つ。

特定の産地に由来する品質や評判を持つ産品について、その産地の名前を保護する制度です。日本の地理的表示(GI)、ヨーロッパのワインやチーズの原産地呼称と同じ考え方で、中国では2000年代から茶の地理標志産品が次々に認定されました。龍井茶、安渓鉄観音、武夷岩茶(ぶいがんちゃ)普洱茶(ぷーあるちゃ)信陽毛尖(しんようもうせん)、蒙山茶、安吉白茶(あんきつはくちゃ)祁門紅茶(きもんこうちゃ)など、このサイトで扱う茶の多くが地理標志産品です。

国家標準としての地理標志

中国の地理標志産品は「GB/T 地理标志产品 〇〇」という国家標準を持ち、そこに次のことが書かれています。

  • 産地の範囲: どの市・県・鎮で作られたものだけがその名前を名乗れるか。
  • 品種と原料: 使ってよい茶樹の品種、摘採の基準。
  • 製法: 工程の順序と要点。普洱茶なら晒青毛茶(さいせいもうちゃ)を原料に後発酵すること、武夷岩茶なら岩韻を持つこと。
  • 等級と感官の基準: 特級、一級などの区分と、外形・水色・香気・滋味・葉底の基準。

つまり標準を読めば、その茶の公式な定義が分かります。このサイトの参考リンクに国家標準を多く挙げているのはそのためで、産地や茶商の説明が食い違うときの物差しになります。標準の本文は全国標準信息公共服務平台などで閲覧できます。

運用の実情

制度はあっても、表示の運用は緩いのが実情です。産地の範囲外の茶が地理標志の名前で売られることは珍しくなく、龍井茶の標準が浙江省の広い範囲を産地に含めているように、範囲そのものが伝統的な産地より広く設定されている例もあります。地理標志の表示は「その名前を名乗る資格がある」ことを示すだけで、品質の高さや味を保証するものではありません。

台湾の仕組み

台湾では地理標志のほかに、産地の農会や公所が行う茶の品評会と、産地証明の標章(鹿谷凍頂烏龍茶、阿里山高山茶など)が産地表示の役割を果たしています。仕組みは違っても、名前を守るために産地が認証を行うという点は同じです。

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