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鉄観音(てっかんのん)

読み てっかんのん現地音 ティエグァンイン拼音 Tiěguānyīn中国語 铁观音 / 鐵觀音別名 Tie Guan Yin、Tieguanyin、Iron Goddess of Mercy、安渓鉄観音、清香型、濃香型、陳香型、木柵鉄観音

福建省安渓の烏龍茶で、茶樹の品種名でもある。蘭の花のような香りで知られ、酸化の軽い清香型、焙煎した濃香型、長期保存した陳香型に分かれる。安渓の茶文化は2022年に世界農業遺産に認定された。

分類青茶(烏龍茶) / 閩南烏龍
産地安渓
品種鉄観音(品種)(てっかんのん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)焙火(ばいか)
外観半球状に固く巻かれ、清香型は深い緑、濃香型は褐色
水色清香型は淡い黄緑、濃香型は橙黄色
香り蘭の花にたとえられる香り。濃香型は焙煎の甘さが加わる
清香型はすっきりと花香が続き、濃香型は焙煎の甘みと厚み

安渓(あんけい)を代表する烏龍茶で、茶樹の品種名でもあります。国家標準(GB/T 30357.2)は、鉄観音品種を挿し木で増やして栽培・摘採し、鉄観音の品質特徴を持つ烏龍茶を鉄観音と定義しています。つまり品種と製法の両方を満たしてはじめて鉄観音です。「観音のお告げで見つけた」「鉄のように重い」といった名前の由来は伝承です。

三つの型

国家標準は鉄観音を三つの型に分けています。

作り方性格
清香型(せいこうがた)萎凋・做青・殺青・包揉(ほうじゅう)・乾燥。焙煎はごく軽い緑色の葉、淡い水色、蘭の花のような香り。1990年代以降の主流
濃香型(のうこうがた)清香型に一回以上の焙火を加える。做青も強め褐色の葉、焙煎の甘みと厚み。伝統的な鉄観音に近い
陳香型(ちんこうがた)毛茶(もうちゃ)を選別・焙煎して5年以上保存熟成した香り

清香型は台湾の製法の影響で広まったもので、酸化を軽くし焙煎をほとんどかけないため緑色に仕上がります。一時は緑色を強調するため酸化で赤くなった葉縁を取り除く作り方まで流行しました。近年は焙煎した濃香型が見直され、安渓で高値がつく鉄観音の多くは焙煎したタイプです。

製法

鉄観音の伝統製法は2008年に中国の国家級無形文化遺産に登録されています。初製は晒青(さいせい)、涼青、揺青(ようせい)炒青(しょうせい)、揉捻、初烘、包揉、復烘、復包揉、乾燥の十工程、精製は選別から焙煎まで六工程です。特徴は揉捻(じゅうねん)の包揉で、殺青した葉を布に包んで締め上げ、温め直しては包み直すことを繰り返して半球状に固めます。固く巻かれているため、淹れるときは1煎目をやや長めにして葉を開かせます。

観音韻

鉄観音固有の余韻を[guanyinyun]と呼び、国家標準の品質要求にも三つの型すべてに「音韻」の表現があります。安渓県茶葉協会は、品種の香り・製法の香り・産地の香りが融合したものと説明しています。回甘(かいかん)とあわせて評価されます。

品質と値段を決めるもの

同じ鉄観音でも価格の幅が極端に大きい茶で、次の要素で決まります。

  • 標高。安渓では数百メートルから1500メートル付近まで茶園があり、高いほど余韻が長く透明感が出るとされます。
  • 肥料。窒素肥料が多いと成長は早いが味が薄くなります。
  • 摘採時期。春が最上で、次いで秋。夏の茶は汎用品です。
  • 焙煎技術。近年は焙煎の技術が原料以上に値段に反映されることがあります。

世界農業遺産

安渓鉄観音茶文化システムは2022年に国連食糧農業機関の世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。半発酵の烏龍茶製法を生み出したこと、茶樹の短穂挿し木という繁殖技術を発明したこと、鉄観音品種の母樹(ぼじゅ)を保存していることが評価の理由です。

台湾の鉄観音

台湾北部の木柵(もくさく)でも鉄観音が作られています。こちらは強めの焙煎をかけた球状の茶で、安渓の清香型とは性格が大きく異なります。台湾では鉄観音品種以外で作った「鉄観音製法」の茶と、鉄観音品種で作った「正欉鉄観音(せいそうてっかんのん)」を区別します。

鉄観音の淹れ方

沸騰したての湯で淹れるのが一般的です。球状に固く巻かれているので、1煎目はやや長め(20〜30秒)にして葉を開かせ、2煎目以降は短くしてから徐々に延ばします。清香型は香りを立たせるために蓋碗を使う人が多く、濃香型は茶壺でも淹れられます。1煎目を短く捨てる洗茶をする人としない人が半々くらいです。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

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