中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

鉄観音(品種)(てっかんのん)

読み てっかんのん現地音 ティエグァンイン拼音 Tiěguānyīn中国語 铁观音 / 鐵觀音別名 鉄観音種、紅心観音、紅心歪尾桃、華茶7号、正欉鉄観音

福建省安渓原産の茶樹品種で、茶名の鉄観音はこの品種で作ることが条件。1985年に国家級良種(華茶7号)に認定。葉が厚く芽が紫がかり、蘭の香りのもとになる成分を多く含むが、育てにくく収量が少ない。台湾では木柵で正欉鉄観音として栽培される。

安渓(あんけい)原産の茶樹品種で、茶の名前の鉄観音(てっかんのん)は、この品種の葉を鉄観音の製法で仕上げたものだけを指します。国家標準(GB/T 30357.2)は鉄観音を「鉄観音品種を挿し木で増やして栽培・摘採した」茶と定義しており、品種は名前の条件の一部です。1984年から85年にかけて国家茶樹良種審定委員会が最初に認定した30の国家級良種のひとつで、華茶7号の番号を持ちます。安渓ではいまも鉄観音の母樹(ぼじゅ)が保存されています。

姿と性質

灌木型の中葉種で、枝は開き、葉は楕円形で厚く、縁の鋸歯がはっきりし、葉先がやや尾のように曲がることから「紅心歪尾桃」(赤い芯で尾の曲がった桃形)と形容されます。新芽は紫がかった赤みを帯び、これが「紅心」です。芽が出るのは遅めの晩生種で、成長が遅く、根の張りが弱くて病気にもかかりやすいため「好喝不好栽」(飲むのはよいが育てにくい)と言われます。収量は黄金桂(おうごんけい)本山(ほんざん)より少なく、それが鉄観音の値段の一因です。

香りのもと

鉄観音品種の生葉には、蘭の香りのもとになるネロリドールやリナロールなどの成分が他の品種より多く含まれ、これが観音韻(かんのんいん)の「品種香」を作ります。同じ製法でも黄金桂、本山、毛蟹(もうかい)で作った茶とは香りと余韻が違い、産地ではこの四つを「四大名種(しだいめいしゅ)」と呼んで区別します。鉄観音品種は成長が遅いぶんミネラルの蓄えが多く、余韻が長く後味が濃い、という観察もあります。

品種名としての鉄観音

「鉄観音」は品種の名前でも茶の名前でもあるため、混同が起きます。安渓では鉄観音品種以外で鉄観音の製法を用いた茶を「色種(しきしゅ)」と呼んで分け、台湾の木柵(もくさく)では鉄観音品種で作った茶を正欉鉄観音(せいそうてっかんのん)、他品種(硬枝紅心(こうしこうしん)など)を鉄観音の製法で仕上げた茶を単に鉄観音と呼びます。品種の鉄観音は福建の他地域や台湾、広東にも移植されていますが、土壌と気候が違えば同じ品種でも性格は変わります。

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