中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

木柵鉄観音(もくさくてっかんのん)

読み もくさくてっかんのん現地音 ムージャーティエグアンイン拼音 Mùzhà Tiěguānyīn中国語 木栅铁观音 / 木柵鐵觀音別名 木柵鐵觀音、正欉鉄観音、台湾鉄観音、台北鉄観音、Muzha Tieguanyin

台北市文山区木柵で作られる鉄観音。清の光緒年間に安渓から鉄観音の苗と製法が持ち込まれ、いまも酸化と焙煎をしっかりかける伝統製法を守っている。安渓の清香型が主流になったいま、昔ながらの重焙煎の鉄観音が飲める産地として知られ、鉄観音品種で作ったものは正欉鉄観音と呼ばれる。

分類青茶(烏龍茶) / 台湾烏龍茶
産地木柵
品種鉄観音(品種)(てっかんのん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)焙火(ばいか)
外観半球状で褐色に艶。焙煎で色が深い
水色琥珀色から橙紅色
香り炭火焙煎の甘い香りに、乾燥果実や蜜のような熟した香り。弱い果実の酸味
濃く厚みがあり、わずかな渋みのあとに甘さが戻る。焙煎の甘さと観音韻

台北市文山区の木柵(もくさく)で作られる鉄観音です。台湾の茶改場(ちゃかいじょう)の説明では、清の光緒年間に張迺妙(ちょうだいみょう)張迺乾(ちょうだいけん)の兄弟が安渓(あんけい)から鉄観音の苗を持ち帰って木柵(もくさく)樟湖山(しょうこざん)に植えたのが始まりで、木柵は台湾の鉄観音の主産地になりました。鉄観音(品種)(てっかんのん)品種で作ったものを正欉鉄観音(せいそうてっかんのん)と呼び、他の品種を鉄観音の製法で仕上げたものと区別します。

伝統製法を守る産地

木柵鉄観音は中程度に酸化させ、焙煎を重くかける烏龍茶で、台湾の茶改場は焙香型の球形烏龍茶に分類しています。萎凋と做青で酸化を進めたあと、球状に揉み、炭火や電気で何度も焙煎を繰り返して、火の温度で香りと味を変化させます。安渓では2000年ごろから焙煎をほとんどかけない清香型(せいこうがた)が主流になり、濃香型(のうこうがた)でも火入れは軽くなったため、昔ながらの重焙煎の鉄観音が飲める産地として木柵の存在感が増しました。

味の性格

水色は琥珀色で、炭火焙煎の甘い香りに乾燥果実や蜜のような熟した香りが重なり、味は濃く厚みがあります。わずかな渋みと弱い果実のような酸味のあとに甘さが戻り、煎を重ねても香りと観音韻(かんのんいん)が続くものが良いとされます。焙煎をしっかりかけた茶は胃に優しく、食後の茶として向き、年を置いて老茶にする習慣もあります。近年は木柵でも軽い焙煎に仕上げる作り手が増えており、店によって性格が違います。

楽しみ方

沸騰した湯で蓋碗か紫砂(しさ)茶壺(ちゃこ)に淹れ、1煎目は葉が開くまで30秒以上置きます。焙煎の強い茶なので煎持ちがよく、木柵の茶園を巡る猫空(まおこん)茶芸館(ちゃげいかん)では、この茶を飲みながら夜景を眺めるのが台北の観光の定番になっています。

木柵鉄観音の淹れ方

沸騰したての湯で蓋碗か紫砂の茶壺に淹れ、1煎目は葉が開くまで30〜40秒置き、2煎目以降は短くしてから延ばす人が多いです。焙煎の強い茶なので6〜8煎と煎持ちがよく、洗茶をする人もいます。年を置いた老茶として飲む習慣もあります。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク