中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

木柵(もくさく)

読み もくさく現地音 ムージャー拼音 Mùzhà中国語 木栅別名 木柵区、台北市文山区、猫空、貓空、木柵鉄観音、正欉鉄観音、石門、Muzha、Maokong

台北市文山区の丘陵で、台湾の鉄観音の産地。日本統治期に張迺妙が福建安渓から鉄観音の茶樹を持ち帰って植えたのが始まりで、鉄観音品種で作る「正欉鉄観音」と製法だけを借りた鉄観音を区別する。強い焙煎の球状の茶で、猫空の茶館街として観光地にもなっている。

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台湾と主な産地。地図データ: Natural Earth

台湾(たいわん)台北市の南、文山区(ぶんざんく)の木柵の丘陵地で、台湾の鉄観音の産地です。新北市の石門区とともに台湾で鉄観音を作る数少ない土地で、台湾農業部の分類では中程度の酸化と強い焙煎の「焙香型球形烏龍茶」に当たります。

安渓から来た茶樹

木柵の鉄観音は日本統治期に始まります。茶師の張迺妙(ちょうだいみょう)が福建の安渓(あんけい)から鉄観音の茶樹を持ち帰って木柵の樟湖(しょうこ)に植えたのが起源とされ、最初は数株、のちに公的な事業として3000株が導入されたと伝えられます。張迺妙は総督府に茶師として招かれ、1919年には木柵で最初の茶葉会社が設立されました。台湾で鉄観音を作る産地は長く木柵だけでした。

正欉鉄観音(せいそうてっかんのん)

台湾では、鉄観音品種の茶樹で作った茶を「正欉鉄観音」と呼び、他の品種(硬枝紅心(こうしこうしん)など)を鉄観音の製法で仕上げた茶と区別します。品種としての鉄観音は収量が少なく育てにくいため、正欉は希少で上位の製品とされます。この区別は鉄観音(てっかんのん)を品種と製法の両方で定義する安渓の考え方と同じです。

製法と味

安渓の清香型(せいこうがた)とは対照的に、木柵の鉄観音は酸化をしっかり進め、焙煎を何度も重ねて仕上げます。揉捻と焙煎を繰り返して球状に固め、水色は琥珀にやや赤みを帯び、濃く厚い味にわずかな渋みと甘み、そして穏やかな果実の酸味が乗ります。上質なものは煎を重ねても香りと甘い余韻が続きます。焙煎で熟成香を作る方向の茶で、焙煎の軽い台湾の高山茶(こうざんちゃ)とは正反対の性格です。

猫空(まおこん)

木柵の茶園がある猫空は、台北市街からロープウェイで登れる観光地になっており、山腹に茶館が並んで夜景を眺めながら鉄観音を飲めます。1985年には台北市が鉄観音包種茶研発推広中心を設け、展示室と茶芸教室で木柵の茶を紹介しています。

この産地の茶葉

参考リンク