南投
読み なんとう現地音 ナントウ拼音 Nántóu別名 南投県、南投縣、鹿谷、鹿谷郷、名間、竹山、杉林渓、魚池、Nantou
台湾中部の県で、台湾最大の茶産地。生産量の6割近くを占め、凍頂烏龍の故郷である鹿谷郷、大量生産の名間郷、高山茶の杉林渓(竹山鎮)、紅玉紅茶の魚池郷など、性格の異なる茶区を抱える。
台湾の中央、海に面していない唯一の県で、台湾最大の茶産地です。台湾の茶園面積の約半分、生産量の6割近くを占め、県内には南投、名間、竹山、鹿谷、水里、魚池、信義、仁愛の八つの茶区があります。
主な茶区
| 茶区 | 標高 | 茶 |
|---|---|---|
| 鹿谷郷 | 600〜1500m | 凍頂烏龍の故郷。茶園約2000ヘクタール、年産約1700トン。青心烏龍のほか金萱、翠玉、四季春 |
| 名間郷 | 低地 | 台湾最大の生産量を持つ茶区。四季春など早生品種で年に何回も摘採し、大手の流通品の多くを供給 |
| 竹山鎮(杉林渓) | 1000m以上 | 孟宗竹林を開いた高山茶区。杉林渓茶は香りが清らかで味が厚いとされる |
| 魚池郷 | 日月潭周辺 | 紅茶の産地。台茶18号(紅玉)、台茶8号(阿薩姆) |
| 仁愛郷 | 高地 | 高山茶。霧社、清境など |
凍頂と鹿谷
鹿谷郷は半球型に巻いた包種茶(烏龍茶)の発祥地とされ、凍頂山周辺で作られる凍頂烏龍茶は台湾茶の代名詞になりました。凍頂山自体は標高800メートルほどで高山茶の産地より低いものの、土壌に由来する味の厚みで評価されてきました。鹿谷郷は「鹿谷凍頂烏龍茶」の証明標章を管理しており、産地が鹿谷郷の行政区域内であることを認証の条件にしています。
一方で、凍頂烏龍茶という名前は南投県全域、とくに名間郷産の茶にも広く使われており、鹿谷産の伝統的な凍頂と、名間産の清香型の大手流通品では産地・品種・製法が異なります。名前で判断せず、鹿谷郷産かどうかを確かめるのが選び方の基本です。
高山茶区
竹山鎮の大鞍地区にある杉林渓は、梨山(台中市和平区)、阿里山(嘉義県)と並ぶ台湾の三大高山茶区のひとつです。孟宗竹の林を開墾して作られた比較的新しい茶区で、地力が保たれ品質が安定しているとされます。
紅茶
魚池郷の日月潭周辺は日本統治期にアッサム種が導入された紅茶の産地で、台湾原生の山茶とミャンマー大葉種を交配した台茶18号(紅玉)が1999年に登録されて以降、ミントや肉桂にたとえられる香りの紅茶として知られるようになりました。
この産地の茶葉
- 翠玉茶台湾の茶業改良場が育成した品種「台茶13号」(翠玉)で作る烏龍茶。金萱(台茶12号)と同じ1981年に発表された姉妹品種で、野の花や玉蘭にたとえられる華やかな香りが特徴。金萱ほど広まらなかったが、南投などで包種茶や球形烏龍茶に仕立てられ、金萱・四季春と並ぶ台湾の主要品種のひとつ。
- 凍頂烏龍台湾南投県鹿谷郷の烏龍茶で、台湾茶の代名詞。青心烏龍種を半球状に巻き、中程度の酸化と焙煎で仕上げる。台湾の公式分類では「焙香型球形烏龍茶」。名前が広く使われるため、産地・品種・焙煎の異なる茶が同じ名で流通している。
- 紅玉台湾の茶業改良場が台湾原生の山茶とミャンマー大葉種を交配して育成し、1999年に命名した品種「台茶18号」で作る紅茶。南投県魚池郷の日月潭周辺が主産地で、薄荷と肉桂にたとえられる独特の香りと濃い紅色の水色から紅玉と名付けられた。
- 杉林渓台湾南投県竹山鎮の杉林渓一帯、標高1500〜1900メートルで作られる高山烏龍茶。杉の森と渓谷に囲まれた茶園で、清涼感のある香りと澄んだ甘さが特徴。龍鳳峡、羊仔湾など茶区ごとの名前でも売られ、梨山、阿里山と並ぶ台湾高山茶の代表的な産地。
- 四季春台湾で、1980年代に台北の木柵の農家が見つけた品種「四季春」で作る烏龍茶。年に何度も摘めて香りが濃いことから名付けられ、南投県名間郷の松柏嶺で大量に栽培される。梔子のような花の香りと軽い甘みで、手ごろな値段の日常の茶であり、タピオカミルクティーなど台湾の飲料茶の主要な原料でもある。
参考リンク
- 南投縣政府観光処: 南投茶葉 — 県内の八つの茶区と鹿谷茶区の標高・面積・品種
- 農業部: 台灣茶葉生產現況與輔導措施 — 南投県が台湾の茶園面積の約半分を占めること
- 農業知識入口網 茶葉主題館: 凍頂烏龍茶 — 鹿谷郷原産、竹山・名間への広がり
- 消観茶論 第120回: 凍頂烏龍茶の定義はどこまで拡大解釈されるのか — 鹿谷凍頂烏龍茶の証明標章と、名間郷などの大手流通品
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