中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

四季春(しきしゅん)

読み しきしゅん現地音 スージーチュン拼音 Sìjìchūn別名 四季春茶、四季春烏龍、不知春、松柏嶺四季春、Si Ji Chun

台湾で、1980年代に台北の木柵の農家が見つけた品種「四季春」で作る烏龍茶。年に何度も摘めて香りが濃いことから名付けられ、南投県名間郷の松柏嶺で大量に栽培される。梔子のような花の香りと軽い甘みで、手ごろな値段の日常の茶であり、タピオカミルクティーなど台湾の飲料茶の主要な原料でもある。

分類青茶(烏龍茶) / 台湾烏龍茶
産地南投
品種四季春(しきしゅん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)包揉(ほうじゅう)
外観半球状で緑色。葉は紡錘形で先が尖る
水色蜜緑から淡い黄
香り梔子や野の花にたとえられる濃い花の香り
甘く軽やかで、渋みが少ない。冷やしても香りが残る

台湾(たいわん)で、[sijichun]という品種の葉で作る烏龍茶です。四季春は茶改場(ちゃかいじょう)が育成した品種ではなく、1980年代に台北の木柵(もくさく)で茶を作る張文輝(ちょうぶんき)という農家が、生育が強く一年中よい茶ができる一株を見つけて選抜したもので、青心烏龍(せいしんうーろん)青心大冇(せいしんだいむ)武夷種(ぶいしゅ)の自然交雑と考えられています。これを南投(なんとう)名間郷の農家が持ち帰って大量に植え、四季春と名付けて広めました。年に五〜六回摘めるほど生育が早く、休眠期が短いことが名前の由来です。

香りと味

梔子や野の花にたとえられる濃い花の香りがあり、味は甘く軽やかで渋みが少なめです。青心烏龍の高山茶(こうざんちゃ)のような厚みや余韻はありませんが、香りが強く、冷やしても香りが残るため、冷泡茶の原料として最も向く品種とされます。包種茶(ほうしゅちゃ)や球形の烏龍茶に仕立てられ、焙煎したものもあります。

台湾の茶飲料を支える茶

四季春の主産地は名間郷の松柏嶺(しょうはくれい)で、標高300〜400メートルの台地に広がる茶園は台湾で最も生産量の多い茶区です。ここで年に4000トン規模の四季春が作られ、タピオカミルクティーなどの手搖茶(しゅようちゃ)(テイクアウトの茶飲料)やペットボトルの烏龍茶の主要な原料になっています。台湾の茶園の品種別面積では青心烏龍に次いで多く、機械摘みに向くため値段が手ごろで、台湾の人にとっては最も身近な烏龍茶のひとつです。着香したミルク烏龍のベースにも使われるので、四季春の名前で売られる茶の質には幅があります。

楽しみ方

沸騰した湯で蓋碗に淹れて煎を重ねるほか、水出しにすると花の香りがよく出て、台湾では冷泡の定番です。安くて香りがよく、毎日飲める[kouliangcha]として選ばれる茶です。

四季春の淹れ方

沸騰したての湯で蓋碗か茶壺に淹れ、1煎目は葉が開くまで40秒前後置き、2煎目以降は短くしてから延ばす人が多いです。5〜6煎楽しめ、洗茶はしない人が多いです。冷泡にすると花の香りがよく出るため、台湾では水出しの定番になっています。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク