坪林
読み へいりん現地音 ピンリン拼音 Pínglín別名 坪林区、坪林區、文山、文山茶区、文山包種、文山包種茶、新北市、石碇、深坑、Pinglin、Wenshan
台北の南、新北市坪林区を中心とする文山茶区で、酸化の軽い条形の烏龍茶「文山包種茶」の産地。翡翠ダムの集水域にあたる標高600〜800メートルの丘陵で、台湾で最初に烏龍品種が植えられた地域とされる。
台北市の南に接する新北市の南部山地で、坪林区を中心に石碇、深坑、平渓、汐止、新店、三峡の各区と、台北市の南港・木柵にまたがる一帯を文山茶区と呼びます。坪林は翡翠ダムの集水域にあたる丘陵地で、標高は600〜800メートル、台北から車で1時間ほどの距離にあり、文山包種茶の最大の産地です。
文山包種茶
文山包種茶は台湾の烏龍茶の中で最も酸化の軽い茶で、台湾農業部の分類では「清香型条形包種茶」に当たります。球状に丸めず、葉を自然に巻いた条索状に仕上げるのが特徴で、乾いた葉は墨緑色に艶があり、水色は蜜黄から碧緑、花のような清らかな香りを何より重んじます。台湾では「香・濃・醇・韻・美」の五つで包種茶の良さを表します。品種は青心烏龍が主で、台茶12号(金萱)も使われます。
「包種」という名前は、茶を四角い紙で包んで売った包装方法に由来し、もとは福建の安渓や福州で使われていた呼び名です。文山茶区は台湾で最初に烏龍品種の茶樹が植えられた地域とされ、1881年ごろに始まった包種茶の製法が、1912年ごろの南港・内湖・深坑での改良を経て、現在の花を使わずに花の香りを出す条形包種茶になりました。
製法の難しさ
酸化が軽いぶん製法は簡単そうに見えますが、実際は逆です。摘採や運搬で葉に傷がつくと意図しない酸化が始まり、狙った香りが出ません。日光萎凋は晴天なら10〜20分、曇天なら30〜40分と短く、葉の温度を30〜35℃に保ちます。室内萎凋は23〜25℃、湿度70〜80%の環境で竹のござに広げ、手で穏やかに攪拌して葉の縁にだけ微細な傷をつけます。殺青はドラムで140〜160℃、揉捻は軽い圧力で、乾燥は100℃前後で水分5%ほどまで、というのが標準的な流れです。
近年の傾向
本来の文山包種茶は花や柑橘のような香りが持ち味ですが、近年は産地でも青海苔のような香りのものが増えている、という指摘があります。酸化の見極めがわずかに足りないと出る香りで、包種茶の難しさを示しています。文山茶区の石碇や坪林は東方美人茶の産地でもあり、夏には小緑葉蝉に噛ませた葉で東方美人を作る農家もあります。
訪れる人へ
坪林には茶業博物館があり、茶畑を眺めながら包種茶を飲める店が並びます。台北から日帰りで行ける産地として、木柵の猫空と並んで訪れやすい場所です。
この産地の茶葉
- 文山包種台北の南、新北市坪林を中心とする文山茶区の烏龍茶で、台湾の烏龍茶の中で最も酸化が軽い。球状に丸めず条索状に仕上げ、花のような清らかな香りを重んじる。「包種」は茶を紙で包んで売った包装に由来し、台湾で最初に烏龍品種が植えられた地域の茶とされる。
参考リンク
- 農業知識入口網 茶葉主題館: 清香型條形包種茶(台湾農業部) — 産地の範囲(坪林・石碇・深坑・平渓・汐止・新店・三峡、台北市南港・木柵)、品種、製法、香濃醇韻美
- HOJO: 台湾を代表する烏龍茶の1つである文山包種茶を発売 — 文山包種茶の歴史、産地の標高、萎凋から乾燥までの工程
- 新北市坪林區農會 — 坪林の農会(関連資料)