中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

文山包種(ぶんざんほうしゅ)

読み ぶんざんほうしゅ現地音 ウェンシャンバオジョン拼音 Wénshān Bāozhǒng中国語 文山包种別名 包種茶、包种、坪林包種、Wenshan Baozhong、Pouchong、清香型条形包種茶

台北の南、新北市坪林を中心とする文山茶区の烏龍茶で、台湾の烏龍茶の中で最も酸化が軽い。球状に丸めず条索状に仕上げ、花のような清らかな香りを重んじる。「包種」は茶を紙で包んで売った包装に由来し、台湾で最初に烏龍品種が植えられた地域の茶とされる。

分類青茶(烏龍茶) / 台湾烏龍
産地坪林
品種青心烏龍(せいしんうーろん)金萱(きんせん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)
外観丸めずに自然に巻いた条索状で、墨緑色に艶がある
水色蜜黄色から碧緑色で澄んでいる
香り花のような清らかな香り。上質なものは柑橘や蘭を思わせる
滑らかで甘く、活性があり、余韻が続く。渋みは少ない

台湾(たいわん)北部、新北市坪林(へいりん)を中心とする文山茶区で作られる烏龍茶です。台湾の烏龍茶の中で最も酸化が軽く、台湾農業部の分類では「清香型条形包種茶」に当たります。凍頂烏龍や高山茶(こうざんちゃ)のように球状に丸めず、葉を自然に巻いた条索状に仕上げるのが見た目の違いで、花のような清らかな香りを何より重んじます。台湾では「香・濃・醇・韻・美」の五つで包種茶(ほうしゅちゃ)の良さを表します。

包種という名前

「包種」は茶を四角い紙で包んで売った包装の方法に由来し、もとは福建の安渓や福州(ふくしゅう)で使われていた呼び名です。文山茶区は台湾で最初に烏龍品種の茶樹が植えられた地域とされ、1881年ごろに始まった包種茶の製法が、1912年ごろの南港(なんこう)・内湖・深坑(しんこう)での改良を経て、現在の花を使わずに花の香りを出す条形包種茶になりました。品種は青心烏龍(せいしんうーろん)が主で、[jinxuan]も使われます。産地は坪林(へいりん)石碇(せきてい)、深坑、平渓(へいけい)汐止(せきし)新店(しんてん)三峡(さんきょう)と台北市の南港・木柵(もくさく)にまたがり、坪林は翡翠(ひすい)ダムの集水域にあたる標高600〜800メートルの丘陵です。

軽い酸化ゆえの難しさ

酸化が軽いぶん簡単そうに見えますが、製法は逆に難しいとされます。摘採や運搬で葉に傷がつくと意図しない酸化が始まり、狙った香りが出ません。日光萎凋(にっこういちょう)は晴天なら10〜20分と短く葉の温度を30〜35℃に保ち、室内萎凋は23〜25℃、湿度70〜80%で竹のござに広げて手で穏やかに攪拌し、葉の縁にだけ微細な傷をつけます。殺青はドラムで140〜160℃、揉捻は軽い圧力で、乾燥は100℃前後で水分5%ほどまで、というのが標準的な流れです。酸化の見極めがわずかに足りないと青海苔のような香りが出る、という指摘があり、近年はそうした包種茶も増えています。

味と楽しみ方

水色は蜜黄から碧緑、味は滑らかで甘く、活性があって余韻が続きます。緑茶に近い見た目ですが、萎凋と做青を経た烏龍茶で、香りの立ち方は緑茶とはまったく違います。沸騰した湯で短く淹れて香りを楽しみ、蓋碗の蓋の裏の香りを嗅ぐのが定番です。台北から日帰りで行ける産地で、坪林には茶業博物館と茶畑を眺めながら包種茶を飲める店が並びます。

文山包種の淹れ方

沸騰した湯で淹れる人が多いです。条索状で葉が開きやすいので1煎目は30秒前後と短めにし、2煎目以降も短く切って香りを楽しみ、5煎ほど淹れます。蓋碗か磁器の茶壺が向き、洗茶はしないのが普通です。香りが命なので、淹れたら蓋の裏の香りを嗅ぐのも定番です。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク