品種
- 雲南大葉種うんなんだいようしゅ — 雲南省に分布する喬木型・小喬木型の葉の大きな茶樹品種の総称。勐庫大葉種、鳳慶大葉種、勐海大葉種などの国家級・省級良種を含み、国家標準は普洱茶の原料をこれに限定している。ポリフェノールが多く、力強い味と長い余韻を持つ。
- 黄金桂おうごんけい — 福建省安渓虎邱原産の茶樹品種で、品種名は黄旦(黄棪)、茶名は黄金桂。1985年に国家級良種(華茶8号)に認定。鉄観音より芽が出るのが早く香りが高いことから「一早二香」と言われ、安渓の四大名種のひとつ。金木犀を思わせる香りの軽やかな烏龍茶になる。
- 奇丹きたん — 武夷山の茶樹品種で、大紅袍の母樹の一部と遺伝的に同一であることが確かめられ、2012年に福建省が「大紅袍」という名の省級品種として認定した。この品種だけで作った茶を純種大紅袍と呼ぶ。
- 金萱きんせん — 台湾の茶業改良場が育成し1981年に命名した茶樹品種、台茶12号。硬枝紅心と台農8号の交配種で、収量が多く育てやすい。ミルクや奶糖にたとえられる香りが特徴で、金萱茶の名で高山茶や凍頂烏龍の一種として広く飲まれる。名前は初代場長の祖母の名に由来する。
- 色種(毛蟹・本山・梅占)しきしゅ — 安渓で、鉄観音以外の品種で作った烏龍茶をまとめて呼ぶ名前。もとは鉄観音が選抜される前の在来の茶樹の総称で、いまは本山、毛蟹、梅占、黄金桂、大葉烏龍などを混ぜて作る烏龍茶を指す。これらは1984年に国家級の茶樹良種に認定された安渓の主要品種で、鉄観音より安く、産地では最も日常的な烏龍茶。
- 四季春しきしゅん — 台湾の木柵で自然交雑から見つかった地方品種。早生で年に何回も摘め、収量が多いため南投県名間郷を中心に台湾の茶園面積の15%ほどを占める。花のような香りの軽い烏龍茶になり、大手の流通品や台湾式ドリンクスタンドの茶に広く使われる。
- 紫娟しけん — 雲南省農業科学院茶葉研究所が1985年に雲南大葉種の茶園で見つけた、芽・葉・茎がすべて紫色の茶樹から育成した品種。アントシアニンを多く含み、緑茶に仕立てると水色まで紫がかる。渋みが強く独特の風味で、健康効果を謳って生茶や緑茶が作られる。古くから雲南にある紫芽の茶樹とは別物。
- 柿大茶しだいちゃ — 安徽省黄山市黄山区(旧太平県)の在来の茶樹品種で、太平猴魁の原料。葉が柿の葉のように大きく厚いことから名付けられ、国家標準は太平猴魁をこの品種で作るものとしている。
- 柿大茶しだいちゃ — 安徽省黄山区(旧太平県)の在来品種で、太平猴魁の原料。葉が柿の葉のように大きく厚いことから名付けられ、芽葉が肥え、節間が短く、若さが長く保たれる。この品種の大きな二葉一芽を平たく伸ばして太平猴魁の独特の姿が作られる。
- 翠玉すいぎょく — 台湾の茶業改良場が育成し1981年に台茶12号(金萱)と同時に命名した茶樹品種、台茶13号。硬枝紅心を母、台農80号を父とする1938年の交配後代から選抜。蘭や野生の生姜の花にたとえられる花の香りが特徴で、翠玉茶の名で球状の烏龍茶に仕立てられる。
- 水仙すいせん — 福建省建陽原産の茶樹品種。1985年に中国の国家級良種に認定され、武夷岩茶の主力品種のひとつ。品種名がそのまま茶名にもなり、樹齢の高い「老欉水仙」が珍重される。花の水仙とは関係がない。
- 青心烏龍せいしんうーろん — 台湾で最も広く栽培される茶樹品種。福建安渓の矮脚烏龍に由来し、19世紀に鹿谷に植えられたのが始まりと伝えられる。晩生種で栽培は難しいが製茶品質が高く、凍頂烏龍、高山茶、文山包種の主力品種。
- 青心大冇せいしんだいむ — 台湾北部で古くから栽培される茶樹品種で、日本統治期に四大品種のひとつとされた。芽が太く産毛が多く、小緑葉蝉の吸汁を受けやすいことから、東方美人茶の主力品種になっている。
- 政和大白茶せいわだいはくちゃ — 福建省政和県鉄山郷原産の茶樹品種で、1985年に国家級良種(華茶5号)に認定。福鼎大白茶より芽が出るのが遅い晩生種で、政和白茶の原料品種。政和は福鼎と並ぶ白茶の二大産地で、室内萎凋を長く行う伝統がある。
- 鉄観音(品種)てっかんのん — 福建省安渓原産の茶樹品種で、茶名の鉄観音はこの品種で作ることが条件。1985年に国家級良種(華茶7号)に認定。葉が厚く芽が紫がかり、蘭の香りのもとになる成分を多く含むが、育てにくく収量が少ない。台湾では木柵で正欉鉄観音として栽培される。
- 肉桂にっけい — 武夷山原産の茶樹品種。1985年に福建省の省級良種に認定され、シナモン(肉桂)を思わせる辛みのある香り「桂皮香」が特徴。水仙と並ぶ武夷岩茶の二大品種で、牛欄坑産は「牛肉」と略称されて高値がつく。
- 白葉1号はくよう・いちごう — 浙江省安吉県で見つかった突然変異の茶樹品種。春の低温で新芽の葉緑素が減って葉が白くなり、アミノ酸が多い。1980年ごろに一本の古木から挿し木で増やされ、1998年に浙江省の良種に認定。安吉白茶の品種で、いまでは栽培面積が最も広い品種のひとつ。
- 福鼎大毫茶ふくていだいごうちゃ — 福建省福鼎市点頭鎮汪家洋村原産の茶樹品種で、1984年に国家級良種(華茶2号)に認定。福鼎大白茶に似るが大葉種で芽がさらに太く産毛が多く収量も多いため、現在の福鼎白茶の主力品種になっている。
- 福鼎大白茶ふくていだいはくちゃ — 福建省福鼎市点頭鎮柏柳村原産の茶樹品種。1985年に国家級良種の第1号(華茶1号)に認定された。芽が太く産毛が多く、白毫銀針・白牡丹の原料品種であり、ジャスミン茶の原料緑茶にも使われる。
- 佛手(品種)ぶっしゅ — 福建省永春を原産とする烏龍茶用の品種。葉が非常に大きく丸く、仏手柑(ブッシュカン)の実に似ることから名付けられた。これで作る烏龍茶は香櫞という柑橘を思わせる香りがあり、永春佛手の名で知られる。烏龍茶の国家標準(GB/T 30357.7)に佛手の製品規格がある。
- 鳳凰水仙ほうおうすいせん — 広東省潮州鳳凰山の在来の茶樹品種群で、鳳凰単叢の母体。1985年に国家級良種に認定された小喬木型の大葉種で、株ごとに香りの型が違い、優れた個体を選抜して単叢の各品系(蜜蘭香、鴨屎香など)が生まれた。福建の水仙とは別系統。
- 名叢めいそう — 武夷山で、香りや味に特徴のある一株を選び出して名前を付け、株ごとに挿し木で増やした茶樹の系統。大紅袍、鉄羅漢、白鶏冠、水金亀を四大名叢と呼び、半天妖を加えて五大名叢とも言う。武夷山には数百の名叢があり、鳳凰山の単叢も同じ考え方で株を選んだもの。
- 龍井群体種ろんじんぐんたいしゅ — 杭州西湖の龍井産地に古くからある在来の茶樹の総称。種から育った実生の集団で、株ごとに性質がばらつき芽の出方も不ぞろいだが、味の厚みと余韻で評価され、龍井43の親品種でもある。「群体種」は一般に在来の実生集団を指す言葉。
- 龍井43ろんじんよんじゅうさん — 中国農業科学院茶叶研究所が杭州の龍井群体種から一株を選び、18年かけて育成した早生の品種。1978年に完成、1987年に国家級良種に認定。在来種より7〜10日早く芽が出てそろうため、現在の龍井茶の主力品種になっている。