淹れ方
- 温杯おんぱい — 茶を淹れる前に、蓋碗や茶壺、茶杯に湯を通して温めること。器の温度が下がらないため抽出の温度が安定し、乾いた茶葉を温まった器に入れて香りを嗅ぐ(乾茶の香り)ことにもつながる。工夫茶の最初の所作。
- 高冲低斟こうちゅうていしん — 湯は高い位置から勢いよく注ぎ、茶は低い位置から静かに注ぐ、工夫茶の注ぎ方の原則。高く注ぐことで葉を湯の中で回して香りを立たせ、低く注ぐことで香りと温度を逃さない。潮州工夫茶の作法では、杯を巡って均等に注ぐ関公巡城と、最後の一滴まで分ける韓信点兵が続く。
- 工夫茶こうふちゃ — 小さな茶壺や蓋碗に多めの茶葉を入れ、沸騰した湯で短く抽出して何煎も淹れる淹れ方。広東省潮州で体系化され、潮州工夫茶芸は2008年に中国の国家級無形文化遺産に登録された。
- 煮茶しゃちゃ — 茶葉を湯で煮出す淹れ方。唐代の茶経に記された古い方法で、いまは黒茶や熟成した白茶(老白茶)、普洱熟茶を煮て飲む習慣が中国で広まっている。煮ると煎で出きらない成分が出て、甘くまろやかになる。2020年代には炭火で煮る「囲炉煮茶」が流行した。
- 上投法じょうとうほう — 緑茶をガラスのコップなどで淹れるときの茶葉の入れ方。先に湯を注いでから茶葉を入れるのが上投法、湯を半分注いで茶葉を入れさらに湯を足すのが中投法、茶葉を先に入れるのが下投法。明の張源『茶録』に季節ごとの使い分けが記されている。
- 洗茶せんちゃ — 茶葉に湯を注いですぐに捨てる手順。名前は「洗う」だが、実際の目的は葉を温めて開かせ、香りを立たせること。球状の烏龍茶や緊圧茶で行い、繊細な緑茶や白毫銀針では行わない。
- 煎と出湯せんとしゅっとう — 蓋碗や茶壺で淹れた茶を杯や茶海に注ぎ出すことを出湯と言い、一回の抽出を一泡(日本語では一煎)と数える。工夫茶では毎回最後の一滴まで注ぎ切って葉を湯に浸けたままにせず、煎ごとに時間を変えて味の変化を楽しむ。出湯の速さと注ぎ切りが味を安定させる要で、葉を湯に置いたままにすることを坐杯と言う。
- 投茶法(上投・中投・下投)とうちゃほう — ガラスのコップや茶碗で緑茶を淹れるとき、茶葉と湯をどの順で入れるかの区分。湯を先に注いで茶葉を入れるのが上投法、湯を少し注いで茶葉を入れてから湯を足すのが中投法、茶葉を先に入れて湯を注ぐのが下投法。明代の張源『茶録』が季節で使い分けを説いたのが由来で、いまは茶葉の姿と湯温で使い分ける。
- 留根りゅうこん — ガラスのコップなどで注ぎ出さずに飲むとき、茶を飲み切らずに三分の一ほど残して湯を足す飲み方。残した茶が濃さをつなぎ、2杯目以降が薄くなりすぎるのを防ぐ。緑茶の日常的な飲み方。
- 冷泡れいほう — 茶葉を水に浸けて冷蔵庫で数時間置く水出し。高温で出るカフェインや渋みが抑えられ、甘みと香りが前に出る。台湾では市販のペットボトルにも「冷泡茶」があるほど日常的で、清香型の烏龍茶、包種茶、白茶、紅玉紅茶などが向く。