等級・格付け
- 一芽二葉いちがにょう — 茶を摘むときの基準で、先端の芽と、その下の二枚の葉をひと組で摘むこと。緑茶や紅茶、普洱茶の標準的な摘み方で、芽だけ、一芽一葉、一芽三葉と摘む位置が変わると茶の性格も変わる。烏龍茶は葉が成熟してから三〜四葉で摘む。
- 古樹茶こじゅちゃ — 雲南で、樹齢の高い茶樹から作った茶。何年以上という公的な基準はなく、数十年から数百年まで売り手によって幅がある。根が深く養分を蓄えた古樹の茶は味に厚みと余韻があるとされ、台地茶より高値で取引される。喬木は樹齢ではなく仕立て方を指す別の言葉。
- 春茶と秋茶しゅんちゃとしゅうちゃ — 茶を摘んだ季節による区分。春茶は冬の間に養分を蓄えた芽で作られ味が厚く、緑茶や普洱茶では最上とされる。夏茶は成長が早く渋みが出やすい。秋茶は香りが高く、鉄観音や鳳凰単叢では秋香として珍重される。台湾の高山茶では春茶と冬茶が二大シーズン。
- 正岩せいがん — 武夷岩茶の産地による格付けの最上位。武夷山の景区内、岩山の中心部で育った茶を指す。慣用的な区分で、現行の国家標準は産地を武夷山市全域とし細かい区分を設けていない。
- 台地茶だいちちゃ — 雲南で、段々畑状に整えた茶園に密植し、低く刈り込んで管理した茶樹から作る茶。1980年代以降に広がった栽培法で、収量が多く安定するため普洱茶の大半を占める。古樹茶と対比して安価な茶の代名詞に使われるが、農薬や肥料を控えた生態茶園も増えている。
- 単株・老欉たんかぶ・ろうそう — 単株は一本の木だけから摘んで作った茶、老欉は樹齢の高い木から作った茶。鳳凰単叢と武夷岩茶の水仙で使う言葉で、雲南の古樹茶と同じ発想。一本ごとに製茶するため量が少なく、老欉は味の厚みと余韻(山韻・欉味)が深いとして最も高く取引される。何年から老欉かの基準はない。
- 特級とっきゅう — 茶の等級表示の最上位に使われる呼び方。国家標準や地理標志標準は多くの茶で特級・一級・二級…と等級を定め、外形や芽の割合、審査点で区分する。ただし等級は見た目や原料の若さの区分で、産地や味の良し悪しを保証するものではなく、市場では「特級」の表示に規定の裏付けがないことも多い。
- 年份ねんふん — 茶が作られた年のこと。ワインのヴィンテージに当たり、普洱茶や黒茶、白茶では何年ものかが値段と味の目安になる。年数が古いほど高いとされるが、証明する手段は包装と売り手の言葉しかなく、実際より古く表示された茶が多い。緑茶や清香型の烏龍茶では逆に新しいほどよい。
- 明前めいぜん — 清明節(4月5日ごろ)より前に摘んだ茶のこと。中国緑茶では摘採時期が品質と価格を決め、明前茶が最上、穀雨(4月20日ごろ)前の雨前茶がそれに続くとされる。ただし早生品種の普及で時期の意味は産地によって変わってきている。
- 野生茶やせいちゃ — 人が植えていない、山に自生する茶樹から摘んだ茶。雲南や広西の山には野生の大茶樹があり、栽培種とは種が違う大理茶などの茶も含む。人の手を離れて長く放置された茶園の茶を野放茶と呼んで区別することもある。香りが独特で希少だが、名前が濫用されやすい。