中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

正岩(せいがん)

読み せいがん現地音 ジェンイェン拼音 zhèngyán別名 正岩茶、半岩、洲茶、外山、名岩産区、丹岩産区、三坑両澗

武夷岩茶の産地による格付けの最上位。武夷山の景区内、岩山の中心部で育った茶を指す。慣用的な区分で、現行の国家標準は産地を武夷山市全域とし細かい区分を設けていない。

武夷岩茶(ぶいがんちゃ)は、茶樹が育った場所によって格付けされる習慣があります。武夷山(ぶいさん)の景区内、赤い岩山が連なる中心部で育った茶を正岩と呼び、最上位とします。岩の間の礫の多い土壌が岩韻(がんいん)を生むとされ、正岩の茶ほど岩韻が強いとされます。

慣用的な区分

呼び名場所位置づけ
正岩景区内の岩山の中心部。三坑両澗(さんこうりょうかん)(牛欄坑(ぎゅうらんこう)慧苑坑(けいえんこう)倒水坑(とうすいこう)流香澗(りゅうこうかん)悟源澗(ごげんかん))が代表最上位。岩韻が最も強いとされる
半岩(はんがん)景区の周辺部中位
洲茶(しゅうちゃ)渓流沿いの平地下位
外山(がいざん)武夷山市の外岩茶(がんちゃ)とは呼ばない

この区分は生産者や茶商の間で古くから使われてきた慣用で、境界は厳密ではありません。三坑両澗の中でもさらに細かい岩場ごとに評価が分かれ、牛欄坑の肉桂(にっけい)が「牛肉」と呼ばれるのはその例です。

国家標準での扱い

国家標準の扱いは変遷しています。2002年の武夷岩茶の標準(GB 18745-2002)は、産地を景区内の「名岩産区」と景区外の「丹岩産区」の二つに分けていました。これは正岩・半岩の慣用区分を公式化しようとしたものです。しかし2006年の改訂(GB/T 18745-2006)では産地の範囲を武夷山市の行政区域全体に統一し、区分を設けなくなりました。つまり現在、正岩という言葉は公式な等級ではなく、市場での慣用的な呼び方です。

実情

正岩茶区は武夷山市全体から見ればごく狭い範囲で、生産量は限られます。それにもかかわらず市場には「正岩」と表示された茶が大量に出回っており、表示が実態と合っているかは売り手の説明を信じるしかありません。景区内の茶園には一時、茶業者の看板が林立していましたが、自然保護を理由に2018年ごろに撤去され、産地の宣伝のあり方も変わってきています。

「正岩だから良い」という買い方ではなく、飲んで岩韻が感じられるか、焙煎が丁寧か、という中身で判断するのが現実的です。

関連用語

関連する茶葉

この用語が出てくるページ

参考リンク