中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

武夷水仙(ぶいすいせん)

読み ぶいすいせん現地音 ウーイーシュイシェン拼音 Wǔyí shuǐxiān別名 水仙、閩北水仙、老欉水仙、老丛水仙、岩茶水仙、Wuyi Shui Xian

武夷岩茶のうち水仙品種で作ったもの。肉桂と並ぶ武夷岩茶の二大品種で、味の厚みと丸さが持ち味。樹齢の高い木から作る老欉水仙は木や苔のような香りが珍重され、大紅袍のブレンドの主要な原料でもある。

分類青茶(烏龍茶) / 武夷岩茶
産地武夷山
品種水仙(すいせん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)焙火(ばいか)
外観太く長い条索状で、褐色に艶。葉が大きく、老欉は葉がさらに大きい
水色橙黄色から橙紅色
香り蘭のような穏やかな香りに焙煎の甘さ。老欉は木や苔のような香り(欉味)
厚みがあってまろやか、後味が長い。肉桂より穏やかで丸い

武夷山(ぶいさん)岩茶(がんちゃ)のうち、水仙(すいせん)品種の葉で作ったものを武夷水仙、閩北水仙(びんほくすいせん)と呼びます。武夷山で栽培される茶樹の大半は水仙と肉桂(にっけい)で、大紅袍と並んで岩茶の店なら必ず置いている基本の銘柄です。烏龍茶の国家標準(GB/T 30357)でも水仙は鉄観音や肉桂と並ぶ製品区分で、武夷岩茶(ぶいがんちゃ)の国家標準(GB/T 18745)の品質特徴である岩韻(がんいん)を持つことが条件です。

味の性格

「香りは肉桂、味は水仙」と対比されるように、水仙は香りの華やかさより味の厚みと丸さで評価される茶です。蘭のような穏やかな香りに焙煎の甘さが重なり、口当たりはまろやかで後味が長く続きます。肉桂の刺激的な香りが苦手な人や、岩茶をはじめて飲む人にも勧めやすい茶です。

老欉水仙(ろうそうすいせん)

樹齢の高い水仙の木から作った茶を老欉水仙と呼び、木の香りや苔のような香り(欉味(そうみ))が出るとして珍重されます。何年以上を老欉(ろうそう)とするかに決まりはなく、50年以上とする説明もあれば、もっと古い木だけを指す人もいます。剪定をあまりせず背の高い木に育てるため収量が少なく、正岩の老欉水仙は高価です。水仙は葉が大きいので老欉の葉は特に大きく、淹れたあとの葉で見分けがつきます。

製法

武夷岩茶の伝統製法で、萎凋、做青で酸化を進め、殺青、揉捻して条索状に仕上げ、焙火(ばいか)を何度も重ねます。水仙は葉が厚いため焙煎に耐え、中火から足火(そくか)でじっくり火を入れると乾燥果実のような甘い香りに育ちます。焙煎直後は火の香りが強いので、数か月置いて退火(たいか)させてから飲むのが普通です。

大紅袍との関係

商品として売られる大紅袍の多くは複数品種のブレンドで、その主要な原料が水仙と肉桂です。水仙の丸い味がブレンドの土台になります。同じ水仙品種でも、漳平(しょうへい)で作る四角い水仙茶餅や、広東の鳳凰水仙(ほうおうすいせん)(こちらは別系統の品種)とは別の茶です。

武夷水仙の淹れ方

沸騰したての湯で、蓋碗か茶壺に茶葉を多めに入れて短く淹れる岩茶の定番の淹れ方です。1煎目は10秒前後で注ぎ出し、煎ごとに少しずつ延ばして7〜8煎楽しめます。焙煎の強いものは洗茶をする人もいますが、必須ではありません。焙煎直後は火の香りが強いので、数か月置いてから飲むのが一般的です。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク