普洱生茶
読み ぷーあるしょうちゃ現地音 プーアルションチャ拼音 Pǔ'ěr shēngchá別名 プーアル生茶、プーアール生茶、生普、青餅、生餅、raw pu-erh、sheng pu-erh、普洱茶(生茶)
雲南大葉種の葉を殺青・揉捻し天日で乾かした晒青毛茶を、そのまま、または蒸して餅茶などに固め、自然に熟成させる茶。渥堆を経ないため製法上は黒茶の定義に当てはまらず、若いうちは緑茶に近く、年を経るごとに変化する「越陳越香」が愛好家に珍重される。
| 分類 | 黒茶 / 普洱茶 |
|---|---|
| 産地 | 雲南省 |
| 品種 | 雲南大葉種 |
| 製法 | 萎凋 → 殺青 → 揉捻 |
| 外観 | 若いものは黄緑色の大きな葉で、年を経ると褐色に変わる。餅茶・沱茶・磚茶に緊圧されることが多い |
| 水色 | 若いものは黄金色、熟成すると橙色から赤褐色 |
| 香り | 若いものは花や果実、蜜のような香り。熟成するとドライフルーツや樟脳のような香りへ |
| 味 | 若いものは力強く苦渋みと甘みがあり回甘が強い。熟成すると丸く滑らかになる |
雲南省の大葉種の葉を殺青・揉捻して天日で乾かした「晒青毛茶」を原料に、そのまま散茶として、または蒸して餅茶・沱茶・磚茶に固め、渥堆を経ずに自然に熟成させる茶です。国家標準(GB/T 22111)は普洱茶を雲南大葉種の晒青毛茶を原料とし、産地・製法によって生茶と熟茶に分けると定めています。同じ普洱茶でも、微生物発酵させた普洱熟茶とはまったく別の茶です。
製法
摘んだ葉を数時間から半日ほど萎凋し、釜で炒って殺青します。殺青は緑茶より低めの温度で行い、酵素をわずかに残すと言われます。揉捻のあと天日で乾かすのが晒青で、日光の穏やかな熱で乾かすため残った酵素がゆっくり働き、熟成の下地になります。散茶のままのものを毛茶、蒸して固めたものを緊圧茶と呼び、円盤状の餅茶(357グラムが標準)、椀形の沱茶、レンガ状の磚茶があります。
若い生茶と古い生茶
作りたての生茶は黄緑色で、味は緑茶や白茶に近く、大葉種らしい力強い苦渋みと強い回甘があります。年を経ると葉は褐色に、水色は橙から赤褐色に変わり、香りは花や蜜から乾燥果実、さらに樟脳や木のような香りへ移り、味は丸く滑らかになります。この変化を「越陳越香」(古いほど香りが良い)と呼び、数十年の熟成品が高値で取引されるのはこのためです。ただし保存環境で変化の方向が変わり、湿った倉で熟成させたものにはカビ臭が出ます。
分類をめぐる議論
生茶は渥堆を経ないため、国家標準の黒茶の定義(殺青・揉捻・渥堆・乾燥)には当てはまりません。原料の晒青毛茶は緑茶に分類され、2023年の国際規格でも生茶の位置づけは明確にされていません。慣用では黒茶の項で扱われますが、製法上は「熟成を前提とした晒青緑茶」と考えるのが実態に近く、このサイトでもそれを踏まえて黒茶の項に置いています。
品質を決めるもの
生茶の品質は産地名より、標高、緯度(夜の気温)、樹齢、肥料の有無で決まります。樹齢の高い茶樹から摘む「古樹茶」が珍重され、老班章、冰島、易武、昔帰といった村や山の名前で取引されますが、有名産地の生葉は極端な高値で取引され、産地偽装も多いため、名前だけで判断しないことが大切です。同じ産地でも肥料と剪定で増産した茶は味が薄く、自然栽培の茶とは別物です。
楽しみ方
沸騰した湯で高温短時間の抽出を10煎近く重ねる飲み方が一般的です。緊圧茶は茶針で崩し、最初に一度湯を通して葉をほぐします。若い生茶は渋みが出やすいので短めに、古い生茶はしっかり置きます。保存は密封せず、通気のある湿気の少ない場所に紙で包んで置くのが普通です。
普洱生茶の淹れ方
沸騰したての湯で淹れるのが基本です。餅茶などの緊圧茶は茶針で崩し、最初に一度湯を通して葉をほぐしてから、1煎目はやや長め、2煎目以降は短くして煎を重ねます。10煎近く飲めるのが普通です。若い生茶は渋みが出やすいので短めに切り、古い生茶はしっかり置くという人が多いです。蓋碗が一般的で、陶器の茶壺を使う人もいます。
淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。
関連用語
この茶葉が出てくるコラム
参考リンク
- GB/T 22111-2008 地理标志产品 普洱茶(国家標準) — 生茶・熟茶の定義、雲南大葉種と晒青毛茶、後発酵の定義
- GB/T 30766-2014 茶叶分类(国家標準) — 黒茶の定義(渥堆を含む)
- HOJO: プーアル茶とは?プーアル茶の完全ガイド — 生茶の製法(萎凋・殺青・天日乾燥)、熟成による変化、品質を決める要素
- HOJO: プーアル生茶は発酵茶?それとも緑茶?という議論 — 生茶の分類をめぐる議論