雲南省
読み うんなんしょう現地音 ユンナン拼音 Yúnnán中国語 云南省別名 雲南、云南、滇、西双版納、普洱、臨滄、茶馬古道、Yunnan
中国の最も南西にあり、ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接する省です。四大茶区では西南茶区に属します。省の大半が山地で、北部は標高3000メートルを超え、南部は1500〜2000メートルと高低差が大きく、緯度と標高によってさまざまな気候帯が重なっています。茶樹(カメリア・シネンシス)の原産地は雲南を含む中国南西部と考えられており、樹齢数百年の古い茶樹が各地に残っています。
中国一の茶産地
雲南は茶園面積と荒茶(干毛茶)の生産量で中国一です。2024年の茶園面積は約807万畝(約54万ヘクタール)、荒茶生産量は56万トンで、そのうち普洱茶が18.5万トンを占めます。西双版納、普洱、臨滄の三つの州市で茶園面積の7割、生産量の7割以上を占め、これが三大主産区と呼ばれます。
大葉種
雲南の茶の特徴は、葉の大きな喬木型・小喬木型の茶樹「雲南大葉種」です。ポリフェノールの含有量が多く、力強い味と長い余韻を持ちます。国家標準の普洱茶(GB/T 22111)も、雲南大葉種を原料とすることを普洱茶の条件にしています。
主な茶
| 茶 | 内容 |
|---|---|
| 普洱生茶 | 大葉種を殺青して天日乾燥した晒青毛茶を、そのまま、または蒸して餅茶などに緊圧し、自然に熟成させる |
| 普洱熟茶 | 晒青毛茶を渥堆で微生物発酵させたもの。1970年代に昆明茶廠で確立 |
| 滇紅 | 大葉種の紅茶。1930年代末に鳳慶で始まり、金色の芽が多く力強い |
| 雲南白茶(月光白など) | 大葉種の芽葉を萎凋した白茶。2021年に雲南省の団体標準で雲白毫・月光白・雲寿の区分が定まった |
| 雲南緑茶 | 晒青毛茶をはじめ、烘青の緑茶も作られる |
歴史
雲南が中国の一部になったのは明代以降で、それ以前は多くの民族の小国が並立していました。茶は少数民族が自ら飲むほか、茶馬古道を通じてチベットや東南アジアへ運ばれ、馬などと交換されました。集散地だった普洱の町の名前が茶の名前になったのが普洱茶です。漢民族の間で普洱茶が広く飲まれるようになったのは比較的新しく、2000年代以降のブームで一気に注目を集めました。
古樹茶と産地の細分化
近年は樹齢の高い茶樹から摘む「古樹茶」が珍重され、老班章、冰島、易武、昔帰といった村や山の名前で取引されます。有名産地の古樹の生葉は極端な高値で取引され、産地偽装の問題も生んでいます。品質を決めるのは標高、緯度(夜の気温)、樹齢、肥料の有無といった要素で、名前だけで判断しないことが大切です。
下位の産地
この産地の茶葉
- 滇紅雲南省の大葉種で作る紅茶で、滇は雲南省の別称なので雲南紅茶全体と同じ意味の名前。1938年に鳳慶で試作されたのが始まりで、金色の芽が多く、蜜や薯のような濃厚な甘い香りと力強い味でミルクティーにも向く。
- 普洱生茶雲南大葉種の晒青毛茶をそのまま、または餅茶などに固め、渥堆を経ずに自然に熟成させる普洱茶。若いうちは緑茶に近く力強い苦渋みと回甘があり、年を経るほど丸くなる越陳越香が珍重される。製法上は黒茶の定義に当てはまらない。
- 普洱熟茶雲南の普洱茶のうち、晒青毛茶に水を打って積み、微生物で発酵させる渥堆を経た黒茶。1970年代に確立された新しい茶で、数十年かかる生茶の熟成の丸みを数十日で作る。渋みがなく甘く、日本で流通する普洱茶の多くはこの熟茶。
- 酸茶雲南省徳宏州の徳昴族が作る発酵茶で、蒸した茶葉を竹筒に詰めて土に埋め、乳酸菌で発酵させる。酸味があり、湿茶は和え物にして食べ、干した干茶は飲む。六大茶類のどれにも当てはまらず、製法は無形文化遺産に登録されている。
- 月光白雲南省普洱市などで大葉種の芽葉を萎凋と乾燥だけで仕上げた白茶で、葉の表が黒く裏が白い。福建の白茶より葉が大きく味に厚みがあり、蜜や熟した果実のような甘い香り。名称の混乱を経て近年、団体標準で区分が定まった。
参考リンク
- 新华网: 云南茶叶两项指标全国第一 — 2024年の茶園面積・生産量、三大主産区の割合
- 云南省农业农村厅: 知道多一点 — 雲南の茶産業の概況
- GB/T 22111-2008 地理标志产品 普洱茶(国家標準) — 普洱茶の定義、雲南大葉種、産地範囲