中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

滇紅(てんこう)

読み てんこう現地音 ディエンホン拼音 Diānhóng中国語 滇红別名 雲南紅茶、云南红茶、Dian Hong、Yunnan Black Tea、鳳慶紅茶、金芽、金糸、滇紅工夫

雲南省の大葉種で作る紅茶。「滇」は雲南の別称で、雲南紅茶と同じ意味。1938年に鳳慶で試作されたのが始まりで、金色の芽が多く力強く甘い味が特徴。ミルクティーに向き、芽だけの金芽・金糸などの製品もある。

分類紅茶 / 工夫紅茶
産地臨滄
品種雲南大葉種(うんなんだいようしゅ)
製法萎凋(いちょう)揉捻(じゅうねん)発酵(はっこう)
外観大葉種の太い条索状で、金色の芽が多く混じる。芽だけの金芽・金糸もある
水色明るい紅色からオレンジがかった紅色
香り甘く濃厚で、蜜や薯のような香り
力強く厚みがあり、甘い。渋みは穏やかでミルクに負けない

雲南省(うんなんしょう)雲南大葉種(うんなんだいようしゅ)で作る紅茶です。「滇」は雲南省の別称で、滇紅は雲南紅茶と同じ意味であり、雲南紅茶の中に滇紅という種類があるわけではありません。正山小種(せいざんしょうしゅ)祁門紅茶(きもんこうちゃ)と並んで中国を代表する紅茶とされますが、歴史は浅く、1938年に中国茶葉公司から派遣された技術者の馮紹裘(ふうしょうきゅう)順寧(じゅんねい)(現在の臨滄(りんそう)鳳慶県)で大葉種(だいようしゅ)を使った紅茶を試作したのが始まりです。抗日戦争のさなかに外貨獲得のため作られ、輸出用の紅茶として育ちました。

大葉種の紅茶

雲南大葉種はポリフェノールが多く、紅茶にすると力強く厚みのある味になります。小葉種で作る祁門紅茶の繊細さとは対照的で、蜜や薯のような濃厚な甘い香りがあり、ミルクに負けないためミルクティーに向きます。伝統的な滇紅は萎凋が軽めで発酵をしっかり進める作り方が多く、近年は萎凋を長く行って花や果実の香りを引き出した紅茶も作られています。

金芽と品質

滇紅の見た目の特徴は金色の芽の多さです。揉捻で芽の産毛に茶のエキスがつき、発酵で金色に変わるため、芽の割合が高いほど金色になります。芽だけで作った金芽や金糸、一芽一葉の製品は摘む手間がかかるぶん高価ですが、芽はアミノ酸が多い一方で香り成分やポリフェノールが少ないため、口当たりはクリーミーでも香りや味は弱く感じられます。金色が多いから上質、とは限らず、標高、樹齢、肥料の有無のほうが味の奥行きを決めます。

産地

鳳慶(ほうけい)は「滇紅の故郷」と呼ばれ、鳳慶大葉種の産地です。臨滄市全体で年3万トン余りの紅茶を産し、雲南の紅茶の中心です。西双版納(シーサンパンナ)普洱(ぷーある)でも紅茶は作られ、古い茶樹から作る古樹紅茶(こじゅこうちゃ)や、日光で萎凋・乾燥させる晒紅(さいこう)と呼ばれる型もあります。

楽しみ方

沸騰した湯で蓋碗で短く淹れて煎を重ねるほか、ポットで抽出してミルクを入れる飲み方も定番です。夏に摘んだ茶や肥料の多い茶園の茶は渋みが出るので、春茶で高地のものを選ぶと滇紅らしい甘さが楽しめます。

滇紅の淹れ方

沸騰した湯で蓋碗を使い、20秒前後の短時間から始めて煎を重ねる人が多く、6煎ほど楽しめます。味が強いのでミルクティーにも向き、ポットで抽出してミルクを入れる飲み方も定番です。芽だけの金芽は少し冷ました湯で淹れる人もいます。洗茶はしません。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク