中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

貢茶(こうちゃ)

読み こうちゃ現地音 ゴンチャ拼音 gòngchá中国語 贡茶別名 贡茶、献上茶、御茶、貢品、貢眉、貢菊、貢茶院、御茶園

皇帝や朝廷に献上された茶。唐代の顧渚紫笋、宋代の建州の龍鳳団茶、明清の西湖龍井など、各時代に貢茶とされた茶があり、蒙頂茶や君山銀針も貢茶の歴史を持つ。産地が誇る肩書きだが、市場では「貢」の字が等級名や宣伝文句として広く使われるので、史実と区別して読む必要がある。

皇帝や朝廷に献上された茶のことです。中国では唐代以降、各時代の宮廷が特定の産地に茶を作らせて納めさせる制度があり、貢茶に選ばれた産地は名声を得ました。いまも多くの名茶が「かつての貢茶」を肩書きにしています。

各時代の貢茶

時代代表的な貢茶
浙江・湖州(こしゅう)顧渚紫笋(こしょしじゅん)。朝廷が貢茶院を置いて作らせた最初の貢茶とされる。蒙頂茶も唐代から貢茶と伝えられる
福建・建州(けんしゅう)(建甌)の北苑(ほくえん)で作られた龍鳳団茶(りゅうほうだんちゃ)徽宗(きそう)の『大観茶論』に当時の様子が記される。固形の団茶(だんちゃ)が中心
洪武帝(こうぶてい)が団茶の献上をやめさせ、散茶(さんちゃ)が貢茶になる。蘇州の虎丘(こきゅう)松蘿(しょうら)など
西湖龍井(乾隆帝(けんりゅうてい)が御茶園を指定したと伝わる)、君山銀針(くんざんぎんしん)普洱茶(ぷーあるちゃ)、武夷茶など

史実と伝承

貢茶の歴史は産地が最も誇る肩書きなので、史料で確かめられるものと、伝承や後世の宣伝が混じったものがあります。宋の北苑貢茶や清の普洱貢茶は史料が多く残る一方、「乾隆帝が飲んで絶賛した」の類は各地に同じ型の話があり、そのまま信じないほうが無難です。産地の人が語る歴史ほど慎重に読む、という視点が役立ちます。

等級名としての「貢」

現代では「貢」の字は等級や商品名として広く使われます。白茶の貢眉(こうび)、菊花茶の貢菊は製品の区分、祁門紅茶場の特貢(とっこう)・貢茶は工場の等級名で、いずれも献上の事実とは関係ありません。「貢級」「貢品」といった表示も宣伝文句にすぎないことが多く、史実の貢茶とは分けて読む必要があります。

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