君山銀針
読み くんざんぎんしん現地音 ジュンシャンインジェン拼音 Jūnshān Yínzhēn中国語 君山银针別名 Junshan Yinzhen、君山茶、金鑲玉、岳陽黄茶
湖南省岳陽市、洞庭湖に浮かぶ君山島の芽だけで作る黄茶で、黄茶の代表。殺青のあと紙に包んで二度の悶黄を経る製法は2021年に国家級無形文化遺産に登録された。流通する君山銀針の多くは悶黄を経ない緑茶タイプで、本来の黄茶タイプは希少。
| 分類 | 黄茶 / 黄芽茶 |
|---|---|
| 産地 | 君山 |
| 製法 | 殺青 → 悶黄 |
| 外観 | 太く肥えた芽だけで、外側は白い産毛、内側は橙黄色。「金鑲玉」(金に玉をはめ込む)と形容される |
| 水色 | 淡い橙黄色で澄んでいる |
| 香り | 穏やかで、採れたての筍や淡い花のような香り |
| 味 | 甘みとうまみがあり、渋みはほとんどない。上質なものは厚みと余韻がある |
湖南省岳陽市、洞庭湖に浮かぶ君山の芽だけで作る黄茶で、黄茶の代表とされます。唐代から貢茶の産地で、清の乾隆帝が名付けたという伝承があります。芽の外側は白い産毛、内側は悶黄で黄色くなった芯で、この姿を「金鑲玉」(金に玉をはめ込む)と形容します。
本物は少ない
君山銀針は本来、君山島で摘んだ芽だけで作る茶です。島の茶園は1社が管理し、島の外でも似た茶が作られていますが、島内には種から育った在来種の老木と自然栽培に近い茶園が残り、味の厚みが違うとされます。さらに、市場で「君山銀針」として売られる茶の大半は悶黄を経ない緑茶タイプで、黄茶タイプは製法が複雑なため生産量が年1トン前後にとどまります。島産で黄茶タイプのものは政府の贈答用に回ることが多く、入手は産地でも簡単ではありません。
摘採
摘採は清明の前後およそ2週間で、3月中旬から下旬の芽が最上とされます。曲がった芽、痩せた芽、紫がかった芽、虫食い、雨や朝露に濡れた芽などを除く不採基準があり、熟練の摘み手でも1日に摘めるのは芽2万個、500グラムほどです。
製法
摊晾、殺青、摊涼、初烘、初包、復烘、復包、足火、精選の九工程で、2021年に国家級無形文化遺産に登録されました。特徴は悶黄を二度行う「双式悶黄」で、軽く乾かした芽を紙に包んで箱に入れ、湿度の高い室内で初包を約2日、乾かしてから包み直す復包を約1日行います。この湿熱の作用で青臭さが抜け、芽が黄色く、味が丸くなります。殺青は一般の緑茶より低い釜温度でゆっくり行うとされます。
味の性格
香りは強くなく、採れたての筍や淡い花にたとえられる穏やかなものです。それよりも、ミネラルの豊富な島の土壌に由来する水の質、つまり口当たりの丸さと余韻を味わう茶と評されます。芽だけの茶なので成分が出にくく、抽出は長めにします。
楽しみ方
背の高いガラスのコップに湯を注ぐと、芽が立ち上がっては沈む「三起三落」が見られ、これが君山銀針の見どころとされます。島では黄茶の君山銀針のほか、緑茶タイプの銀針と君山毛尖も作られ、緑茶タイプはあっさりした飲み口で見た目も美しいため、これはこれで人気があります。
君山銀針の淹れ方
背の高いガラスのコップで淹れるのが定番です。80℃台に冷ました湯を注ぐと、芽が立ち上がっては沈む「三起三落」の姿が見られ、それを眺めるのが君山銀針の楽しみとされます。注ぎ出さずに飲み進めて湯を足す人が多く、蓋碗で淹れる場合も1煎目は1分前後と長めに置きます。洗茶はしません。香りより、まろやかな水の質と余韻を味わう茶と言われます。
淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。
関連用語
この茶葉が出てくるコラム
参考リンク
- 中国非物质文化遗产网: 黄茶制作技艺(君山银针茶制作技艺) — 九工程と双式悶黄、2021年国家級登録
- 岳阳市君山区政府: 君山概况 — 島の面積と土壌、気候
- GB/T 21726-2018 黄茶(国家標準) — 黄芽茶としての区分
- HOJO: 君山銀針2014の予約販売 — 島内産と島外産の違い、緑茶タイプが多数を占めること、黄茶タイプの生産量
- HOJO: 湖南省の君山銀針栽培地視察 その3 — 摘採の不採基準、清明前後の摘採期間
- HOJO: 超高いお茶:君山銀針—黄茶 — 初包・復包の時間、ガラスで淹れる飲み方