黄茶
読み こうちゃ拼音 huángchá中国語 黃茶別名 微発酵茶、yellow tea、黄芽茶、黄小茶、黄大茶、君山銀針、蒙頂黄芽、霍山黄芽
緑茶の工程に「悶黄」を加え、葉と水色を黄色くした茶。国家標準は殺青・揉捻・悶黄・乾燥で作る茶と定義し、黄芽茶・黄小茶・黄大茶に分ける。生産量が少なく、君山銀針が代表。
| 発酵(酸化)度 | 微発酵(悶黄による湿熱変化) |
|---|---|
| 特徴的な工程 | 殺青 → 悶黄 |
基本の工程は緑茶と同じですが、殺青のあとに葉を湿った状態で包んで置く悶黄という工程が入ります。国家標準の茶葉分類(GB/T 30766)は黄茶を「殺青・揉捻・悶黄・乾燥などの工程で作られ、黄湯黄葉と甘爽醇和の特徴を持つ製品」と定義しています。悶黄によって青臭さが抜け、まろやかで甘い味と、乾いた葉・水色・淹れたあとの葉がいずれも黄色い「三黄」の外観になります。
三つの区分
黄茶の国家標準(GB/T 21726)は、原料の芽葉の大きさで黄茶を三つに分けています。
| 区分 | 原料 | 代表 |
|---|---|---|
| 黄芽茶 | 芽のみ、または一芽一葉 | 君山銀針(湖南)、蒙頂黄芽(四川)、霍山黄芽(安徽) |
| 黄小茶 | 細かい芽葉 | 北港毛尖・溈山毛尖(湖南)、遠安鹿苑(湖北)、平陽黄湯(浙江) |
| 黄大茶 | 一芽二葉から一芽四、五葉 | 霍山黄大茶(安徽)、広東大葉青 |
産地は湖南、四川、安徽、浙江、湖北、広東などに点在していますが、生産量は六大茶類の中で最も少なく、市場で目にする機会もいちばん少ない分類です。
悶黄
悶黄は湿った熱による成分変化で、微生物は関与しません。葉緑素が分解し、ポリフェノールが軽く酸化・分解することで黄変します。葉に水分が多い状態で行えば数時間、いったん乾かしてから行えば数日かかり、殺青の直後に入れるか、揉捻のあとか、乾燥と交互に繰り返すかは茶によって違います。君山銀針の製法は2021年に国家級無形文化遺産に登録されており、悶黄を二度行う「双式悶黄」が特徴です。
黄化茶との違い
近年は黄金芽や中黄一号のように葉そのものが黄色い品種で作った緑茶が「黄茶」として売られることがありますが、これは品種の色であって悶黄を経たものではなく、中国では「黄化茶」と呼んで区別しています。
君山銀針の注意点
黄茶の代表とされる君山銀針は、湖南省洞庭湖の君山島で作られる芽だけの茶です。ただし流通している君山銀針の多くは悶黄を経ていない緑茶タイプで、本来の黄茶タイプは生産量が少なく高価です。黄茶として買うなら、悶黄を経た黄色い葉のものかどうかを確かめる必要があります。
この分類の茶葉
- 霍山黄芽安徽省六安市霍山県の黄茶。一芽一葉から一芽二葉を摘み、緑茶と同じ殺青のあと悶黄を経る黄芽茶で、君山銀針・蒙頂黄芽と並ぶ黄茶の代表。唐代の貢茶の記録があり、安徽省の地方標準で地理標志産品として定義されている。
- 君山銀針湖南省岳陽市、洞庭湖に浮かぶ君山島の芽だけで作る黄茶で、黄茶の代表。殺青のあと紙に包んで二度の悶黄を経る製法は2021年に国家級無形文化遺産に登録された。流通する君山銀針の多くは悶黄を経ない緑茶タイプで、本来の黄茶タイプは希少。
- 蒙頂黄芽四川省雅安市の蒙頂山で作られる芽だけの黄茶。殺青と悶黄を交互に繰り返す「三炒三悶」の製法で、唐代からの貢茶である蒙頂山茶の中でも最も手間がかかり、作り手が減っている希少な茶。
よく出る用語
参考リンク
- GB/T 30766-2014 茶叶分类(国家標準) — 黄茶と悶黄の定義
- GB/T 21726-2018 黄茶(国家標準) — 黄芽茶・黄小茶・黄大茶・緊圧黄茶の区分
- 中国茶叶学会(澎湃 茶科普): 黄茶的"闷黄"作用是什么?黄茶和黄化茶你可以分得清吗? — 悶黄の仕組みと、品種の色による黄化茶との区別
- 中国非物质文化遗产网: 黄茶制作技艺(君山银针茶制作技艺) — 君山銀針の製法(2021年国家級無形文化遺産)
- HOJO: 超高いお茶:君山銀針—黄茶 — 君山銀針の悶黄と流通の実情
- HOJO: 黄茶:蒙頂黄芽 — 蒙頂黄芽の作り方と希少さ
- 『はじめての中国茶とおやつ』甘露 著(誠文堂新光社) p.8-11, 71, 73 — 黄茶の工程、君山銀針と蒙頂黄芽の項