中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

君山(くんざん)

読み くんざん現地音 ジュンシャン拼音 Jūnshān別名 君山島、君山区、岳陽、岳阳、洞庭湖、君山銀針、Junshan

湖南省岳陽市、洞庭湖に浮かぶ面積1平方キロ足らずの島で、黄茶の君山銀針の産地。72の小さな峰に花木が茂り、その間で茶が育つ。島の茶園は1社が所有し、本来の君山銀針は島の芽だけで作られる。

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湖南省と主な産地。地図データ: Natural Earth

湖南省(こなんしょう)岳陽市の北東、洞庭湖(どうていこ)に浮かぶ小さな島で、面積は1平方キロメートルに満たず、大小72の峰からなると言われます。砂質の肥えた土と、湖に囲まれた湿潤な気候が茶に向き、唐代から貢茶の産地でした。江蘇省の洞庭山とは別の場所です。

島の茶園

島の茶園は日本のように整然と並んだものではなく、さまざまな花木が茂る山の間に茶樹が点在する形で、木々が日光を遮り、湖からの霧が茶を包みます。島の茶園は1社だけが所有・管理しており、最上級の茶の多くは政府の贈答用に回るため、市場に出る量はごくわずかです。市場で「君山銀針(くんざんぎんしん)」として売られる茶の多くは島の外で作られたもので、しかも悶黄を経ない緑茶タイプが大半です。

君山銀針

島の芽だけで作る黄茶が君山銀針で、清の乾隆帝(けんりゅうてい)が名付けたという伝承があります。摘採は清明の前後およそ2週間に限られ、太く肥えた芽だけを選びます。曲がった芽、痩せた芽、紫がかった芽、虫食いの芽、雨や朝露に濡れた芽などを除く十の不採基準があり、熟練の摘み手でも1日に摘めるのは芽2万個、重さにして500グラムほどです。

製法は摊晾、殺青、摊涼、初烘、初包、復烘、復包、足火(そくか)、精選の九工程で、紙に包んで置く悶黄(もんおう)を二度行う「双式悶黄(そうしきもんおう)」が特徴です。2021年に国家級無形文化遺産に登録されました。淹れると芽が立ち上がっては沈む「三起三落(さんきさんらく)」の姿が見どころとされ、背の高いガラスのコップで淹れるのが定番です。島では黄茶の君山銀針のほか、緑茶タイプの銀針と君山毛尖も作られています。

訪れる人へ

島は岳陽市街から船で渡る観光地で、岳陽楼(がくようろう)から湖越しに眺めることもできます。茶園の見学は可能ですが、茶の購入は生産会社との関係次第で、本物の黄茶タイプを手に入れるのは産地でも簡単ではありません。

この産地の茶葉

参考リンク