中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

安化(あんか)

読み あんか現地音 アンホア拼音 Ānhuà別名 安化県、益陽、益阳、安化黒茶、千両茶、茯磚茶、Anhua

湖南省益陽市の県で、安化黒茶の産地。雪峰山脈の北、資水の中流にあり、竹籠に詰めて圧す千両茶と「金花」の咲く茯磚茶で知られる。両方の製法が2008年に国家級無形文化遺産、2022年にユネスコ無形文化遺産の構成要素になった。

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湖南省と主な産地。地図データ: Natural Earth

湖南省(こなんしょう)中北部、益陽市に属する県で、雪峰山脈(せっぽうさんみゃく)の北側、資水(しすい)の中流にあります。面積は約4950平方キロメートルと湖南(こなん)で三番目に大きな県で、山がちな土地の大半が茶と林業に使われてきました。安化黒茶(あんかこくちゃ)は2010年に地理標志産品に指定され、益陽市の茶園面積は約50万畝、黒茶産業の産値は260億元を超えて湖南一、中国でも二番目の規模です。

安化黒茶

安化の茶は明代から辺境向けの黒茶として作られ、陝西や甘粛を経てモンゴルや西北へ運ばれました。かつて安化の黒毛茶は陝西の涇陽(けいよう)まで運ばれてそこで茯磚茶(ふくせんちゃ)に加工されていましたが、新中国成立後は安化と益陽(えきよう)でも茯磚茶が作られるようになりました。

内容
千両茶(せんりょうちゃ)長さ1.5メートルほどの円柱二級・三級の黒毛茶を蒸して竹籠に詰め、数人がかりで踏み固めて圧し、天日で乾かす。重さは旧制の千両(約36キロ)。百両茶、十両茶もある
茯磚茶レンガ状黒毛茶を篩い分け・拼配(へいはい)・渥堆して圧し、「発花」という工程で冠突散嚢菌(かんとつさんのうきん)を茶の中に育てる。この黄色い菌の粒を金花(きんか)と呼ぶ
黒磚茶(こくせんちゃ)花磚茶(かせんちゃ)レンガ状圧して固めた黒茶
天尖(てんせん)貢尖(こうせん)生尖(せいせん)散茶籠に詰めた上級の散茶

千両茶と茯磚茶の製法は2008年に国家級無形文化遺産に登録され、2022年にはユネスコの無形文化遺産「中国伝統制茶技芸とその関連習俗」の構成要素になりました。安化黒茶の文化システムは中国重要農業文化遺産にも認定されています。

金花

茯磚茶の中に育つ金花は冠突散嚢菌という麹カビの一種で、茶の成分を分解して独特の香りと丸みを作ります。金花の多さが茯磚茶の品質の目安とされ、モンゴルや西北では煮出してミルクや塩を加えて飲まれてきました。松の薪で乾燥させるため、あっさりした口当たりに松の香りが乗るのも安化黒茶の特徴です。

現在の安化

2000年代の黒茶ブーム以降、安化は黒茶を観光と結びつけた産地づくりを進めており、毎年黒茶文化節が開かれています。千両茶を踏み固める作業は見学の目玉になっています。

この産地の茶葉

参考リンク