中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

千両茶(せんりょうちゃ)

読み せんりょうちゃ現地音 チエンリャンチャ拼音 Qiānliǎngchá中国語 千两茶 / 千兩茶別名 花巻茶、花卷茶、百両茶、十両茶、安化千両茶、千兩茶

湖南省安化の黒茶を竹の籠に詰め、数人がかりで踏み固めて円柱状にした巨大な茶。重さが清代の秤で千両(約36キロ)あることから名付けられ、花巻茶とも言う。清の道光年間に生まれ、製法は2008年に国家級無形文化遺産、2022年にユネスコ無形文化遺産の構成要素になった。小型の百両茶、十両茶もある。

分類黒茶 / 湖南黒茶
産地安化
製法殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)渥堆(あくたい)
外観竹の籠で包んだ円柱状の巨大な茶。長さ約1.5メートル、重さ約36キロ。切ると断面が黒褐色
水色橙黄色から紅褐色
香り松の薪の香りと、熟成による穏やかな陳香
まろやかで甘く、渋みがない

湖南省(こなんしょう)安化(あんか)で作られる黒茶で、竹の籠に詰めて踏み固めた円柱状の巨大な茶です。重さが清代の秤で千両(約36キロ)あることから千両茶と呼ばれ、籠の外側に花模様が出ることから花巻茶とも言います。清の道光年間(19世紀前半)に、晋商(しんしょう)(山西の商人)が安化(あんか)の茶を北方へ運ぶ荷造りから生まれたとされ、製法は2008年に国家級無形文化遺産に、2022年にはユネスコ無形文化遺産「中国伝統製茶技術とその関連習俗」の構成要素になりました。

製法

安化の黒毛茶を松の薪を燃やす七星灶(しちせいそう)で乾かし、蒸して柔らかくしてから竹の籠に詰めます。数人の男が籠の周りで歌に合わせて縄を締め、棒で押し、足で踏み固める作業を繰り返して直径20センチ、長さ1.5メートルほどの円柱にし、屋外で数十日かけて日に干して乾かします。国家標準(GB/T 32719.2)では花巻茶として定義され、千両のほか百両茶(ひゃくりょうちゃ)(約3.6キロ)、十両茶(じゅうりょうちゃ)(約360グラム)といった小型の製品もあります。

味と熟成

松の香りとまろやかな甘さがあり、渋みはありません。作りたては松の香りが強く、数年置くと落ち着いて陳香(ちんこう)が育ちます。籠に入ったまま乾いた場所で長く保存でき、熟成するほど価値が上がるとされるため、丸ごと買って店に飾りながら何年もかけて飲む愛好家もいます。

楽しみ方

円柱から鋸や刃物で切り出して崩し、蓋碗や茶壺(ちゃこ)で煎を重ねるか、やかんで煮出します。日本では百両茶や十両茶、切り出した小分けの千両茶が中国茶専門店で手に入ります。

千両茶の淹れ方

円柱から切り出した茶を崩し、沸騰した湯で蓋碗か茶壺に淹れて1煎目を短く注ぎ出してから煎を重ねる人が多く、10煎以上楽しめます。やかんで煮出す飲み方も定番で、煮ると甘みがよく出ます。若いものは松の香りが強いので、数年置いてから飲む人も多いです。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク