叩手礼
読み こうしゅれい現地音 コウショウリー拼音 kòushǒulǐ中国語 叩手礼 / 叩指礼 / 叩手禮 / 叩指禮別名 叩指礼、叩指禮、扣手礼、扣手禮、扣指礼、指で机を叩く、フィンガータップ、finger kowtow、finger tapping
茶を注いでもらったとき、指先で卓を軽く叩いて「ありがとう」を返す作法です。叩指礼、扣手礼とも書きます。話の途中でも、口に物が入っていても、指を動かすだけで礼が伝わるので、工夫茶のように主人が何度も注ぎ足す席では、そのたびに言葉で礼を言う代わりにこれで済ませます。広東の飲茶の店では、同席者が急須から注いでくれたときに卓を叩く音があちこちから聞こえます。
乾隆帝の伝説
由来は「叩頭」、つまり額を地に付けて拝む礼を指で代えたものだと説明されます。伝承では、清の乾隆帝が身分を隠して江南を旅したとき、茶館で自ら従者(あるいは地方官)に茶を注いでやった。皇帝に注いでもらった従者は本来なら跪いて叩頭すべきところ、それでは身分が知れてしまうので、指を曲げて卓を叩き、跪く代わりにしたというものです。史料上の裏付けはなく、広東・潮汕の茶館で広まった習慣に後から付いた話と見るのが妥当ですが、「指を人の身体に見立てて拝む」という説明は、指の使い分けを覚えるのに役立ちます。
叩き方
相手との関係で指の数を変える、という説明が広東や台湾で広く行われています。
| 相手 | 叩き方 | 見立て |
|---|---|---|
| 同輩・友人 | 人差し指と中指を揃えて、指先で二〜三回 | 両手をついて拝む |
| 目上の人・年長者 | 五本の指を軽く握って、指の腹で三回 | 五体投地 |
| 目下の人・年少者 | 人差し指か中指一本で一回 | 頷く |
もっとも、実際には人差し指と中指の二本で二回か三回叩くのが最も普通で、これを覚えておけばどの席でも失礼になりません。叩く場所は自分の杯のすぐ前の卓、強さは音がかすかに聞こえる程度です。卓を鳴らすように強く叩くのは無作法です。
いつ使うか
- 主人や同席者が自分の杯に茶を注いでくれたとき
- 茶海から順に注ぎ分けているとき、自分の番が来たとき
- 飲茶の店で、同席者が急須を取って注いでくれたとき
日本の中国茶の教室や茶館でも、この作法を教えるところが多く、知っていると主人にも通じます。逆に、自分が注ぐ側になったときは、客の叩手礼に応えて頷く程度でよく、こちらから何かを返す必要はありません。飲み手の作法全体は中国茶をいただくときの作法にまとめました。
関連用語
この用語が出てくるページ
- 中国茶をいただくときの作法コラム
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- 主人杯用語
参考リンク
- 維基百科: 工夫茶 — 工夫茶の作法としての叩指礼
- 南山居: 功夫茶道常見的八個奉茶禮儀 — 相手との関係による三通りの叩き方
- SAYS: Here's Why Chinese People Tap On The Table When Tea Is Being Poured — 乾隆帝の伝説と広東・東南アジアの飲茶での習慣