中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

用語辞典 › 茶器

主人杯(しゅじんはい)

読み しゅじんはい現地音 ジューレンベイ拼音 zhǔrénbēi別名 主人杯、个人杯、個人杯、自分用の杯、客杯、客人杯、host cup

茶席の主人が自分専用に使う品茗杯です。客には揃いの白磁の杯(客杯)を出し、自分だけは別の一客を使う習慣で、杯を見れば主人の好みや茶歴が分かる、腕時計や万年筆のような持ち物と説明されます。客杯より少し大きいものを使う人が多く、客への注ぎ分けを優先して自分は後回しにする分、大きめでも失礼にならないという理屈です。

何が選ばれるか

客杯は水色が見えて扱いやすい白磁が基本ですが、主人杯はその逆で、使い込むほど変わる材質が好まれます。

  • 建盞(けんさん): 福建建陽の黒釉の茶碗。宋代の闘茶の器で、油滴や兎毫の景色を楽しむ
  • 紫砂・朱泥: 紫砂壺と同じ土の杯。茶を吸って艶が出る
  • 柴焼(さいしょう): 薪窯で焼いた陶器。灰の景色が一つずつ違う
  • 汝窯(じょよう)・哥窯(かよう)風の青磁: 使ううちに貫入に茶が入って線が浮き出る(開片(かいへん))
  • 銀・錫・漆: 手触りと重さ

いずれも一点ものや作家ものが多く、旅先で手に入れた杯、友人から贈られた杯など来歴が語れることが価値になります。客がその杯を話題にし、主人が由来を語るところまで含めて茶席の楽しみと考えられています。

いつからの習慣か

古い工夫茶に主人杯の区別はなく、潮州では主人も客も同じ小さな白磁杯で飲みます。杯を一つずつ揃えて眺める習慣は、2010年代に中国大陸で茶席の道具が趣味として広がり、建盞や柴焼の作家物が流行するなかで定着したもので、「主人杯」という言葉もその頃から茶器店で使われ始めました。茶席の主人が客と違う器を使うのは無礼だとする考え方もあり、客が気にしそうなら揃いの杯で通す人もいます。

使うときの目安

  • 客杯より目立ちすぎない大きさと色にします。客の杯より明らかに高価なものを使うと、客が気を使います
  • 客に「その杯は?」と聞かれたら由来を短く話し、聞かれなければ触れないのが品がよいとされます
  • 育てる杯は一種類の茶に限る必要はありませんが、色の濃い茶のほうが変化が早く出ます

関連用語

この用語が出てくるページ

参考リンク