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煮水器(随手泡・電陶炉・鉄壺・銀壺)(しゃすいき)

読み しゃすいき現地音 ジューシュイチー拼音 zhǔshuǐqì中国語 煮水器別名 煮水壺、煮水壶、随手泡、隨手泡、電陶炉、电陶炉、鉄壺、铁壶、鉄瓶、銀壺、银壶、陶壺、砂銚、玉書碨、玉书煨、潮汕炉、紅泥炉、湯沸かし、電気ケトル、kettle

茶を淹れる湯を沸かす道具の総称です。工夫茶(こうふちゃ)は沸騰したての湯を何度も使うので、卓の上かすぐ脇で湯を沸かし続ける必要があり、沸かす道具の選び方が味と手間の両方に関わります。大きく分けて、卓上の電気ケトル、炉に載せる壺、そして伝統的な炭の炉と砂銚(しゃちょう)の三つがあります。

随手泡(卓上の電気ケトル)

今の中国の茶卓で最も普及しているのが随手泡(ずいしゅほう)と呼ばれる小型の電気ケトルです。「手近ですぐ沸かせる」という意味の呼び名で、1989年に潮汕で創業した茶具メーカーの金灶(KAMJOVE)が工夫茶向けに作った製品名から広まりました。1〜1.2Lほどの容量で、湯温を設定できるものや、水を自動でくみ上げるポンプ付きの茶盤一体型のものもあります。保温とすぐ沸く手軽さが取り柄で、湯の味に凝らない限りこれで十分です。日本では温度設定のできる電気ケトルがこれに当たります。

炉に載せる壺

湯の口当たりや見た目にこだわる人は、炉の上で壺を使って沸かします。

壺特徴
鉄壺日本の南部鉄器や京都の鉄瓶が人気。蓄熱が大きく湯が力強く、鉄が水中の塩素などを減らして口当たりが丸くなると言われる。錆びやすいので使い終わったら乾かす
銀壺熱伝導がよく、湯が早く沸いて柔らかい口当たりになるとされる。高価で扱いに気を使う
陶壺・砂壺粗い土の壺。湯が丸くなるとされ、安価。急な温度変化で割れることがある
ガラス・ステンレス味への影響が少なく手入れが楽。沸く様子が見える
銅壺熱伝導は最もよいが緑青が出やすく、今はあまり使われない

鉄壺の「鉄分が摂れる」「湯が甘くなる」という宣伝は誇張が多く、実際の効果は小さいという指摘もあります。それでも鉄壺の湯が沸騰したての勢いを長く保つのは確かで、岩茶や単叢のように高温で香りを出す茶では違いを感じる人が多いです。

炉

壺を載せる炉は、今は電陶炉(でんとうろ)が主流です。電熱線で天板を赤熱させる方式で、鉄・銀・陶・ガラスとどんな壺でも使えます。電磁調理器(IH)は磁性のある鉄壺しか載せられず、火加減が段階的なので、茶人は電陶炉を選びます。炭火の風炉(ふうろ)や紅泥炉(こうでいろ)は湯の質が最もよいとされますが、換気と手間が要るので、茶席の演出として使われることが多いです。

潮州の砂銚と紅泥炉

潮州工夫茶では、紅泥(赤土)で作った小さな炭炉に、同じ土の砂銚(しゃちょう)(取っ手付きの平たい湯沸かし)を載せて湯を沸かします。砂銚は玉書碨(ぎょくしょわい)とも呼ばれ、炉とあわせて工夫茶四宝の二つに数えられます。翁輝東の『潮州茶経』では、炭には欖核炭(らんかくたん)(オリーブの種の炭)がよいとされ、羽の扇で火を起こし、銅の箸で炭を扱うところまで道具立てが決まっています。湯は「蟹の目」から「魚の目」の泡が出て松風の音がする頃合いを見て使うとされ、湯を沸かす工程そのものが工夫茶の作法の一部です。

選ぶときの目安

  • まずは温度設定のできる電気ケトルで十分です。沸騰したてを使う烏龍茶・普洱茶と、少し冷ます緑茶・白茶の両方に対応できます
  • 壺と炉を揃えるなら、電陶炉と陶壺かガラス壺から始めると扱いやすいです
  • 鉄壺は空焚きと錆に注意し、使い終わったら余熱で内側を乾かします。内側の赤い斑点は錆ではなく湯垢のことが多く、湯が濁らなければ問題ありません

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