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茶寵(ちゃちょう)

読み ちゃちょう現地音 チャーチョン拼音 cháchǒng中国語 茶宠別名 茶宠、茶玩、茶寵物、茶のペット、tea pet、金蟾、貔貅、噴水茶寵、変色茶寵

茶盤(ちゃばん)の上に置いて、茶を淹れるたびに余った茶や洗茶の湯をかけて楽しむ小さな置物です。「茶で養う寵物(ペット)」という意味で、茶玩とも呼びます。多くは宜興(ぎこう)の紫砂のような釉薬をかけない土で作られていて、茶を浴び続けると土の気孔に茶の成分がしみ込み、養壺と同じように色が深まって艶が出てきます。何年も育てた茶寵は持ち主の茶歴の証しのようなもので、卓に置いて客との話の種にもなります。

唐の茶商が茶をかけた陸羽像

置物に茶をかける習慣そのものは古く、唐代の陸羽(りくう)の逸話にさかのぼります。李肇の『唐国史補』には、鞏県(きょうけん)(河南)の陶工が陸鴻漸(陸羽)をかたどった陶の人形を作り、茶器を数十個買うと一体付いてきて、茶商は茶の売れ行きが悪いとこの人形に茶を注いだ、という記述があります。茶の神様に茶を供えて商売繁盛を願う行為で、今の茶寵とは目的が違いますが、「茶器と一緒に置く小さな像に茶をかける」という形はこのときすでにありました。

紫砂の小品としては、明の万暦年間の陶工陳仲美(ちんちゅうび)が香合や狻猊(さんげい)の香炉、辟邪(へきじゃ)、文鎮などを作ったことが清の『陽羨名陶録』に記されていて、これが紫砂の茶寵の先駆けとされます。北京の故宮博物院には乾隆期の紫砂の三連の胡桃や梅花鹿、小さな異獣といった文房の玩具が残っています。ただし、こうした置物が茶卓の定番だった記録は少なく、「茶寵」という呼び名と遊び方が広まったのは、湯を流す茶盤を使う工夫茶が中国全土に普及した近年のことです。茶盤の上で茶をかけ流す湿泡のスタイルが定着して初めて、茶をかけられる置物の居場所ができたと言えます。

よくある姿

姿意味
金蟾(きんせん)(三本足のヒキガエル)口に銭をくわえる。財を呼ぶ
貔貅(ひきゅう)口があって肛門がない伝説の獣。財を入れて出さない
弥勒(布袋)笑顔と福
小和尚愛らしさ、静けさ
干支の動物、豚、亀縁起物や持ち主の干支
尿尿小童(しょんべん小僧)湯をかけると水を吹く

水を吹く、色が変わる

茶寵には仕掛けのあるものがあります。中が空洞で小さな穴が一つだけ開いている茶寵は、冷たい水に浸けておくと中に水が入り、そこへ熱い茶をかけると中の空気が膨張して水を押し出し、穴から細い水を吹きます。しょんべん小僧やヒキガエルの口から水が出るのはこの仕組みです。色が変わるものは二種類あって、紫砂や澄泥(ちょうでい)のものは茶の色素が少しずつ沈着して長い年月で色が深まるのに対し、湯をかけた瞬間に鮮やかに変わるものは樹脂や感温塗料で作られていて、冷めると元に戻ります。

育て方

  • 茶を淹れるたびに、洗茶の湯や飲み残しをかけます。かけたあと柔らかい筆や布で撫でると、ムラなく艶が出ます
  • 紅茶や普洱茶、烏龍茶など色の濃い茶のほうが早く色づきます。緑茶だけでは変化が遅いです
  • 洗剤は使いません。水で流して乾かすだけにします
  • 茶の残りを溜めたままにするとカビや臭いの原因になるので、卓を片付けるときに拭きます
  • 「一種類の茶で育てる」と言う人もいますが、壺と違って味に影響しないので、こだわらなくてもかまいません

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