水盂(建水・渣方)
読み すいう(けんすい・さほう)現地音 シュイユー / ジエンシュイ拼音 shuǐyú / jiànshuǐ中国語 水盂 / 建水別名 水盂、建水、渣方、水方、茶渣缸、茶盂、水洗、茶洗、こぼし、廃水入れ、waste water bowl
温杯の湯や洗茶の湯、飲み残しの茶を捨てるための器です。湯を流せる茶盤を使う淹れ方なら要りませんが、卓を濡らさない乾泡では、茶盤の代わりにこの器を卓の脇に置き、捨てる湯はすべてここに入れます。碗の形や筒の形があり、磁器、陶器、錫、竹などで作られます。蓋に透かしが入っていて、湯は下に落ち、茶殻は上に残る作りのものもあります。
呼び名が多い理由
同じ器を指す名前がいくつもあります。
| 呼び名 | 出どころ |
|---|---|
| 水盂・茶盂 | 「盂」は口の広い鉢。中国大陸で一般的 |
| 水方・渣方 | 台湾の茶芸で使われる呼び名。「渣」は茶殻 |
| 茶渣缸 | 茶殻入れの意味 |
| 建水 | 日本の茶道で「こぼし」を指す名。乾泡が広まるなかで台湾・中国に借用された |
| 茶洗・水洗 | 潮州工夫茶で杯や壺を浸して洗う大きめの碗 |
日本の茶道の建水は、茶碗を清めた湯を捨てる器で、役目は同じです。中国語圏で「建水」の名が使われ始めたのは比較的最近で、乾いた茶席を整える道具立てを日本の茶道から取り入れるときに、名前も一緒に入ってきました。
潮州の茶洗
潮州の工夫茶では、湯を受ける器として茶洗を使います。翁輝東の『潮州茶経』では、茶洗は杯や茶壺を浸して洗うための大きな碗で、正副三つを備えるとされます。一つは杯を浸けておく用、一つは茶壺の湯を受ける用、もう一つは茶殻を捨てる用という使い分けで、今の水盂と壺承の役目を分担していました。
使い方の目安
- 卓の利き手側、客から見えにくい位置に置きます。客の正面に廃水の器を置かないのが作法です
- 満杯になる前に捨てます。茶殻が入ったまま放置すると臭いが出ます
- 洗茶の湯を茶寵にかけたい場合は、茶盤か壺承の上でかけ、余りを水盂に捨てます
関連用語
この用語が出てくるページ
- 中国茶をいただくときの作法コラム
- 茶盤用語
- 乾泡と湿泡用語
- 壺承用語
参考リンク
- 荼公子(韓奕): 中式茶藝器具介紹 — 水方(水盂・茶洗・茶渣缸)の役目と台湾での呼び名
- 搜狐(禅茶一味): 建水,茶桌上的雅器 — 建水の名と日本茶道との関係、蓋付きの透かし建水
- 翁輝東『潮州茶経・工夫茶』(黄庭茶道ブログ掲載の全文) — 潮州工夫茶の茶洗(杯や壺を浸す大碗)の記述
すいう(けんすい・さほう) シュイユー / ジエンシュイ shuǐyú / jiànshuǐ 水盂 / 建水 水盂 / 建水 水盂 建水 渣方 水方 茶渣缸 茶盂 水洗 茶洗 こぼし 廃水入れ waste water bowl