中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

鳳凰山(ほうおうざん)

読み ほうおうざん現地音 フォンホァンシャン拼音 Fènghuángshān中国語 凤凰山別名 鳳凰鎮、烏崠山、烏崬山、鳳凰単叢、鳳凰単欉、凤凰单丛、単叢、老欉、単株、Fenghuang

広東省潮州市鳳凰鎮の山地で、鳳凰単叢の産地。一株ごとに性格の違う茶を別々に仕上げる「単叢」の作り方で知られ、鳳凰水仙から選抜された品種群を蜜蘭香、鴨屎香など香りの型で呼ぶ。中心は標高1200メートル余りの烏崠山。

安徽省北京市重慶市福建省広東省甘粛省広西チワン族自治区貴州省河南省湖北省河北省海南省黒竜江省湖南省吉林省江蘇省江西省遼寧省内モンゴル自治区寧夏回族自治区青海省四川省山東省上海市陝西省山西省天津市新疆ウイグル自治区チベット自治区雲南省浙江省台湾鳳凰山鳳凰山
広東省と主な産地。地図データ: Natural Earth

広東省(かんとんしょう)東部、潮州市潮安区の鳳凰鎮(ほうおうちん)を囲む山地です。周囲の山の峰が鳳凰が羽を広げた形に見えることから名付けられ、中心の烏崠山(うとうさん)は標高1200〜1300メートルあります。茶樹は整然と植えられているのではなく、岩を縫うように点在し、剪定をほとんどしない古木が多く残っています。

鳳凰単叢(ほうおうたんそう)とは

鳳凰単叢は、鳳凰山の自然条件のもとで鳳凰水仙(ほうおうすいせん)という品種の中から選び出された優良な個体と、そこから育てられた品種群・株系から作る烏龍茶で、花や果実、蜜のような多様な自然の香りを持つのが特徴です。2010年に地理標志産品に指定され、中国とEUの地理的表示協定でも保護対象になっています。潮州(ちょうしゅう)の単叢茶文化システムは世界農業遺産の予備リストにも入りました。

単叢(たんそう)」はもともと一株ごとに摘んで別々に仕上げることから来た言葉ですが、現在は鳳凰山産の烏龍茶全体を指して使われ、茶園で作られた安価なものも単叢の名で流通します。本来の意味に近いのは次の呼び分けです。

呼び方意味
単叢鳳凰山の烏龍茶の総称。同じ香りの型の株をまとめて仕上げたもの
老欉(ろうそう)樹齢の高い木から作ったもの。80〜100年以上を目安にする人が多いが決まりはない
単株(たんかぶ)一本の木だけから作ったもの。最も希少で高価

香りの型

鳳凰単叢は香りの型で名前を付けます。1990年代に5000株余りを調査して18の香型に分けた研究があり、そこから「十大香型」として黄枝香(こうしこう)芝蘭香(しらんこう)玉蘭香(ぎょくらんこう)蜜蘭香(みつらんこう)杏仁香(きょうにんこう)姜花香(きょうかこう)肉桂香(にっけいこう)桂花香(けいかこう)夜来香(やらいこう)茉莉香(まつりこう)が広く知られるようになりました。ほかに鴨屎香(おうしこう)(アヒルの糞という名の、実際は花の香りの型)、宋種(そうしゅ)(南宋(なんそう)の皇帝にちなむ伝説を持つ古木の系統)など、市場で目にする名前は数十に及びます。

製法と味

晒青(さいせい)晾青(りょうせい)做青(さくせい)、殺青、揉捻、烘焙(こうばい)という烏龍茶の製法で、条索状に仕上げます。清香型(せいこうがた)は花や果実の香りが強烈で、はじめて飲む人は着香茶と錯覚するほどです。濃香型(のうこうがた)は中温で何度も焙煎して乾燥果実のような香りに仕上げます。「単叢は渋い、苦い」という印象を持つ人がいますが、それは夏摘みや肥料の多い茶園産のことが多く、春摘みで肥料の少ない茶は渋みがなく甘い、という指摘があります。

茶器との相性

鳳凰単叢は質が上がるほど厚みと余韻が増しますが、陶器の茶壺(ちゃこ)では香りや余韻がフラットになって差が感じられなくなることがあります。潮州のプロは磁器の蓋碗を使うのが普通で、潮州産の茶壺が単叢に合うとは限らないとされます。

隣の嶺頭(れいとう)

鳳凰鎮の東に隣接する饒平県嶺頭村では、鳳凰水仙から見つかった品種で嶺頭単叢(れいとうたんそう)(白葉単叢)が作られています。鳳凰単叢とは別の産地として扱われ、マスカットにたとえられる爽やかな香りが特徴です。

この産地の茶葉

参考リンク