中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

鴨屎香(おうしこう)

読み おうしこう現地音 ヤーシーシャン拼音 Yāshǐxiāng中国語 鸭屎香別名 鴨屎香単叢、鸭屎香、銀花香、银花香、大烏葉、鳳凰単叢鴨屎香、Ya Shi Xiang、Duck Shit Oolong

鳳凰単叢の香型のひとつで、2010年代に中国で爆発的に人気になった系統。名前は「鴨の糞の香り」だが、実際は金銀花や梔子のような鋭い花の香りで、名前の由来は農家が木を盗まれないよう悪い名前を付けたという伝承。正式には銀花香と呼ばれ、香型の分類では黄枝香に近い。

分類青茶(烏龍茶) / 鳳凰単叢
産地鳳凰山
品種鳳凰水仙(ほうおうすいせん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)焙火(ばいか)
外観締まった条索状で、黄褐色に艶。葉はやや大きい
水色金黄色で澄む
香り金銀花(スイカズラ)や梔子にたとえられる、鋭く華やかな花の香り
爽やかで甘く、香りが口の中に広がる。渋みは穏やか

[teas:fenghuangdancong]の香型のひとつで、2010年代に中国の若い人の間で爆発的に人気になり、いまでは単叢(たんそう)と言えばこれ、というほど知られた系統です。名前は「鴨の糞の香り」という意味ですが、実際の香りは金銀花(きんぎんか)(スイカズラ)や梔子にたとえられる鋭く華やかな花の香りで、名前と中身の落差も人気の理由になりました。

名前の由来

伝承では、烏崠山(うとうさん)の農家がこの木の茶が評判になったとき、苗を盗まれないように「鴨屎香」という悪い名前を付けた、あるいは鴨屎土(おうしど)と呼ばれる黄色い土の畑に植えたから、と説明されます。名前が下品だとして産地では銀花香(ぎんかこう)という正式名が付けられましたが、鴨屎香の名前のほうが通っています。1996年に単叢の十大香型(じゅうだいこうがた)が整理されたときには鴨屎香はまだ有名ではなく、香りの型としては黄枝香(こうしこう)芝蘭香(しらんこう)の系統に分類されます。

香りと味

香りが鋭く高く、湯を注いだ瞬間に花の香りが立ち、蓋の裏や杯の底にも強く残ります。味は爽やかで甘く、渋みは穏やかで、蜜蘭香(みつらんこう)の厚みや宋種(そうしゅ)の深さとは違う、香りで飲ませる茶です。軽い焙煎で香りを活かした仕上げが多く、清香型(せいこうがた)の鉄観音や高山茶(こうざんちゃ)が好きな人に勧めやすい単叢です。人気のため栽培面積が急増し、標高の低い茶園の若い木の茶が多く出回っているので、値段と質の幅が広くなっています。

楽しみ方

沸騰した湯で蓋碗に多めの茶葉を入れ、ごく短く淹れて煎を重ねます。出湯が遅れると渋みが出るので、注ぎ切りを徹底します。中国では鴨屎香を使ったミルクティーやレモンティーも流行し、香りの強さが飲み物のベースとしても活きています。

鴨屎香の淹れ方

沸騰したての湯で蓋碗に茶葉を多めに入れ、5〜10秒の短時間から煎を重ねる人が多いです。香りが立ちやすいので蓋の裏の香りを楽しみ、注ぎ切りを徹底して8煎ほど飲めます。軽い焙煎のものが多く、洗茶はしない人が多いです。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク