中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

白牡丹(はくぼたん)

読み はくぼたん現地音 バイムーダン拼音 Báimǔdān別名 White Peony、Bai Mu Dan、Pai Mu Tan

福建省福鼎・政和の白茶で、一芽一葉から一芽二葉を萎凋と乾燥だけで仕上げる。芽だけの白毫銀針より味がしっかりし、葉の多い寿眉より繊細で、白茶の中で最も飲まれる中心的な茶。国家標準は大白茶か水仙品種の一芽一、二葉と定める。

分類白茶
産地福鼎
品種福鼎大白茶(ふくていだいはくちゃ)福鼎大毫茶(ふくていだいごうちゃ)政和大白茶(せいわだいはくちゃ)
製法萎凋(いちょう)
外観産毛の多い芽に一枚か二枚の葉がついたまま、揉まれずに自然な形で乾いている。芽は銀色、葉は灰緑色
水色淡い黄色から杏色で澄んでいる
香り干し草、蜜、白い花のような香り。熟成すると果実の香りも
甘みとうまみがあり、芽だけの白毫銀針より味がしっかりして、渋みは少ない

福鼎(ふくてい)政和(せいわ)を中心に作られる白茶で、白茶(はくちゃ)の中で最も広く飲まれている中心的な茶です。国家標準の白茶(GB/T 22291)は白牡丹を「大白茶(だいはくちゃ)または水仙品種の一芽一葉から一芽二葉を原料とする白茶」と定義し、特級から三級までの等級を設けています。芽だけで作る白毫銀針(はくごうぎんしん)と、葉の多い寿眉(じゅび)の中間にあたります。名前は、産毛の白い芽を葉が包む姿を牡丹の花にたとえたものです。

製法

工程は萎凋(いちょう)と乾燥だけで、揉みも殺青もしません。芽葉を竹の笊に薄く広げ、弱い日光と通気を調整しながら長時間萎れさせ、最後に弱火か熱風で乾かします。近年は福州(ふくしゅう)や福鼎で仕上げに強めの火入れをして香ばしさを付ける作り方も見られますが、火入れをしないほうが白茶らしいふんわりした香りが残る、という考えもあります。

摘採時期

福鼎では3月20日過ぎに白毫銀針の芽を摘み、そのあと4月上旬に伸びた一芽二葉が白牡丹の原料になります。摘採が遅いほどボディが弱く渋みが出るため、3月摘みの白牡丹が最上とされます。摘採時期は淹れたあとの葉を指でつまむと分かり、春一番の葉は柔らかく弾力があります。

味の性格

白毫銀針が芽だけの繊細な甘みなのに対し、白牡丹は葉が入るぶん味がしっかりし、干し草や蜜、白い花のような香りにうまみが乗ります。渋みは少なく、価格も銀針より手頃なので、白茶をはじめて飲む人に勧めやすい茶です。加熱工程がないため酵素が生きており、沸騰した湯で短く洗茶して酵素を止めると柑橘や花の香りに、低めの湯温でゆっくり淹れると別の表情に、と淹れ方で香りが変わります。

熟成

白牡丹は数年寝かせるとブドウや蜜のような香りが出るとされ、老白茶(ろうはくちゃ)として売られることも多い茶です。餅茶(へいちゃ)に固めた白牡丹も熟成向きとして流通しています。

雲南の白牡丹

雲南省の大葉種(だいようしゅ)で同じ作り方をした茶は、2021年の団体標準で「月光白(げっこうはく)」という別の名前に整理され、福建の白牡丹とは区別されるようになりました。

白牡丹の淹れ方

蓋碗で85〜95℃の湯を使い、1煎目は1分前後と長めに置く人が多いです。揉んでいないので成分の出方がゆっくりで、煎を重ねるごとに少しずつ延ばし、5煎以上楽しめます。葉が大きいのでガラスのコップより蓋碗が向き、洗茶はしないのが普通です。数年寝かせたものは沸騰した湯で淹れたり、煮出したりする人もいます。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク