福鼎
読み ふくてい現地音 フーディン拼音 Fúdǐng別名 福鼎市、寧徳市福鼎市、太姥山、点頭鎮、Fuding
福建省北東部、浙江省との境に近い寧徳市に属する市で、太姥山という名山を抱えています。中国の白茶の発祥地であり中心産地で、隣接する政和とともに白茶の二大産地とされます。茶学の専門家は、古い文献に出てくる「白茶山」を太姥山と考証しています。
品種の原産地
白茶に使われる福鼎大白茶(華茶1号)と福鼎大毫茶(華茶2号)は、いずれも福鼎市点頭鎮が原産で、100年以上の栽培の歴史を持ち、1985年に国家級良種に認定されています。芽が太く産毛が多いこの品種の性質が、白毫銀針の銀色の外観を生みます。国家標準の白茶(GB/T 22291)も、白毫銀針と白牡丹を大白茶または水仙品種で作るものと定めています。
同じ品種は白茶だけでなく、ジャスミン茶の原料になる緑茶(烘青)にも使われてきました。産毛の多い芽で作ったジャスミンパール(茉莉龍珠)は福鼎の緑茶が王道でしたが、2010年代の白茶ブームで原料が白茶に回るようになり、ジャスミン茶の原料価格が上がりました。
福鼎白茶
福鼎白茶は2008年に地理標志産品に指定され、製法は2011年に国家級無形文化遺産に登録されました。工程は萎凋と乾燥だけで、芽を竹の笊に薄く広げ、弱い日光と通気を調整しながら萎れさせます。3月下旬に芽だけを摘む白毫銀針から始まり、4月に入ると一芽二葉の白牡丹、後半には葉の多い寿眉と、摘採時期で作る茶が変わります。同じ条件なら早い時期ほど品質が高いとされます。
白茶ブーム
2010年代に福建でビンテージ白茶(老白茶)のブームが起こり、数年寝かせた白茶や餅茶に固めた白茶が高値で取引されるようになりました。この結果、福鼎の白茶の原料価格は大きく上がり、産地の風景も変わっています。政和は福鼎に比べて標高が高く、萎凋を室内で長く行う伝統があり、同じ白茶でも性格が異なります。
この産地の茶葉
- 白毫銀針福建省福鼎・政和の白茶で、大白茶品種の春先の芽だけを摘み、萎凋と乾燥のみで仕上げる。白い産毛に覆われた芽が銀の針のように見えることが名前の由来で、白茶の四つの区分の筆頭に置かれる。
- 白牡丹福建省福鼎・政和の白茶で、産毛の多い芽に一、二枚の葉が付いた芽葉を萎凋と乾燥だけで仕上げる。芽だけの白毫銀針より味がしっかりし葉の多い寿眉より繊細で、白茶の中で最も広く飲まれる。
- 老白茶福建省福鼎などの白茶を数年以上寝かせたものの総称で、寿眉や貢眉を蒸して円盤状に固めた白茶餅が中心。2010年代の白茶ブームで広まり、ナツメのような甘い香りとまろやかな味を煮出して楽しむが、年份の表示は目安にすぎない。
- 茉莉龍珠若い芽葉を一つずつ丸めて真珠状の玉にした緑茶にジャスミンの香りを移した花茶で、福建省福鼎の芽が伝統的。玉を丸める手間で茉莉花茶の中で最も高価。日本ではジャスミンパールの名で知られ、玉がゆっくり開く姿を眺めて飲む。
- 寿眉福建省の白茶のうち、芽が少なく成熟した葉の多いもので、等級は最下位だが味がしっかりして甘い。高温で淹れても渋くなりにくく手頃で、熟成させると蜜やナツメの香りに変わるため、餅茶に固めた寿眉が老白茶として人気。
参考リンク
- 福建日报: 福建六大茶类非遗档案 | 福鼎白茶:古法天成的自然韵味 — 地理標志(2008年)、無形文化遺産(2011年)、太姥山の考証、品種の原産地
- 中国非物质文化遗产网: 白茶制作技艺(福鼎白茶制作技艺) — 国家級無形文化遺産の登録情報
- GB/T 22291-2017 白茶(国家標準) — 白茶の区分と品種
- HOJO: 白茶とジャスミン茶の原料緑茶を求め中国福建省の福鼎市へ — 福鼎大白茶の用途、茶摘みの実際