福鼎
読み ふくてい現地音 フーディン拼音 Fúdǐng別名 福鼎市、寧徳市福鼎市、太姥山、点頭鎮、Fuding
福建省北東部、寧徳市の市で、白茶の発祥地とされる中心産地。福鼎大白茶・福鼎大毫茶という品種の原産地でもあり、福鼎白茶は2008年に地理標志産品、製法は2011年に国家級無形文化遺産になった。
福建省北東部、浙江省との境に近い寧徳市に属する市で、太姥山という名山を抱えています。中国の白茶の発祥地であり中心産地で、隣接する政和とともに白茶の二大産地とされます。茶学の専門家は、古い文献に出てくる「白茶山」を太姥山と考証しています。
品種の原産地
白茶に使われる福鼎大白茶(華茶1号)と福鼎大毫茶(華茶2号)は、いずれも福鼎市点頭鎮が原産で、100年以上の栽培の歴史を持ち、1985年に国家級良種に認定されています。芽が太く産毛が多いこの品種の性質が、白毫銀針の銀色の外観を生みます。国家標準の白茶(GB/T 22291)も、白毫銀針と白牡丹を大白茶または水仙品種で作るものと定めています。
同じ品種は白茶だけでなく、ジャスミン茶の原料になる緑茶(烘青)にも使われてきました。産毛の多い芽で作ったジャスミンパール(茉莉龍珠)は福鼎の緑茶が王道でしたが、2010年代の白茶ブームで原料が白茶に回るようになり、ジャスミン茶の原料価格が上がりました。
福鼎白茶
福鼎白茶は2008年に地理標志産品に指定され、製法は2011年に国家級無形文化遺産に登録されました。工程は萎凋と乾燥だけで、芽を竹の笊に薄く広げ、弱い日光と通気を調整しながら萎れさせます。3月下旬に芽だけを摘む白毫銀針から始まり、4月に入ると一芽二葉の白牡丹、後半には葉の多い寿眉と、摘採時期で作る茶が変わります。同じ条件なら早い時期ほど品質が高いとされます。
白茶ブーム
2010年代に福建でビンテージ白茶(老白茶)のブームが起こり、数年寝かせた白茶や餅茶に固めた白茶が高値で取引されるようになりました。この結果、福鼎の白茶の原料価格は大きく上がり、産地の風景も変わっています。政和は福鼎に比べて標高が高く、萎凋を室内で長く行う伝統があり、同じ白茶でも性格が異なります。
この産地の茶葉
- 白毫銀針福建省福鼎・政和の白茶で、白茶の最上級。春先の芽だけを摘み、萎凋と乾燥のみで仕上げる。国家標準は大白茶か水仙品種の単芽で作るものと定義し、芽の産毛が銀の針のように見えることが名前の由来。
- 白牡丹福建省福鼎・政和の白茶で、一芽一葉から一芽二葉を萎凋と乾燥だけで仕上げる。芽だけの白毫銀針より味がしっかりし、葉の多い寿眉より繊細で、白茶の中で最も飲まれる中心的な茶。国家標準は大白茶か水仙品種の一芽一、二葉と定める。
- 老白茶数年以上寝かせた白茶の総称で、寿眉や貢眉を蒸して円盤状に固めた白茶餅が中心。「一年は茶、三年は薬、七年は宝」の言葉とともに2010年代の白茶ブームで広まり、緊圧白茶の国家標準(GB/T 31751)が2015年にできた。ナツメのような甘い香りとまろやかな味で、煮出して飲む習慣がある。年份の表示は目安。
- 茉莉龍珠若い芽葉を一つずつ丸めて真珠のような玉にした緑茶に、ジャスミンの香りを移した花茶。茉莉花茶の中で最も手間のかかる高級品で、福鼎大白茶の産毛の多い芽を使ったものが伝統的。玉がゆっくり開く姿と澄んだ香りで、日本ではジャスミンパールの名で親しまれる。
- 寿眉福建省の白茶のうち、芽が少なく成熟した葉の多いもの。白毫銀針・白牡丹を摘んだあとの葉で作り、価格は手頃だが味がしっかりして熟成向きとされ、餅茶に固めた寿眉は老白茶として人気がある。国家標準は在来種の芽葉で作る貢眉と区別する。
参考リンク
- 福建日报: 福建六大茶类非遗档案 | 福鼎白茶:古法天成的自然韵味 — 地理標志(2008年)、無形文化遺産(2011年)、太姥山の考証、品種の原産地
- 中国非物质文化遗产网: 白茶制作技艺(福鼎白茶制作技艺) — 国家級無形文化遺産の登録情報
- GB/T 22291-2017 白茶(国家標準) — 白茶の区分と品種
- HOJO: 白茶とジャスミン茶の原料緑茶を求め中国福建省の福鼎市へ — 福鼎大白茶の用途、茶摘みの実際