中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

窨制(いんせい)

読み いんせい現地音 インジー拼音 yìnzhì中国語 窨製別名 窨花、着香、薫花、熏花、窨、花茶製法、打底、提花

茶葉と生花を混ぜて花の香りを茶葉に吸わせる、花茶の製法。茉莉花茶では夜に開く茉莉の花と茶葉を層にして一晩置き、翌朝花を取り除いて茶葉を乾かす作業を一窨と数え、高級品は数回から十回近く繰り返す。福州の茉莉花茶窨制技術は国家級無形文化遺産。

茶葉と生花を混ぜ合わせて、花の香りを茶葉に吸わせる花茶の製法です。「窨」は地下室や蔵を意味する字で、茶葉と花を密閉して香りを移すことからこの字が使われます。茉莉花茶(まつりかちゃ)をはじめ、桂花(けいか)玉蘭(ぎょくらん)珠蘭(しゅらん)、玫瑰などの花茶がこの方法で作られ、福州(ふくしゅう)の茉莉花茶窨制技術は2014年に国家級無形文化遺産に登録されました。

茉莉花茶の窨制

  1. 原料の緑茶(茶坯(ちゃはい))を乾かして水分を落とし、香りを吸いやすくする。
  2. 夕方、開きかけの茉莉の蕾を集め、温度を管理して開花を待つ。
  3. 夜、茶葉と花を層にして積み、花が開いて香りを放つ間に茶葉に吸わせる。積んだ茶の温度が上がりすぎないように途中でほぐす。
  4. 翌朝、花を篩で取り除き、湿った茶葉を乾かす。

ここまでを一窨(一回の窨制)と数え、乾かした茶葉に新しい花で同じ作業を繰り返します。高級品は五窨、七窨、九窨と繰り返し、最後に少量の花で仕上げの香りを付ける提花(ていか)を行います。茉莉の前に白蘭(はくらん)の花で下地の香りを付けることを打底(だてい)と言い、国家標準はこれを認めています。

回数と品質

窨の回数が多いほど香りは深く持続しますが、回数だけで品質は決まりません。原料の緑茶の質、花の質と量(晴天が続いたときの花は香りが強い)、一回ごとの管理が同じくらい重要で、質の低い茶葉に回数を重ねても香りは浮いたままです。安価な製品は使い終わった花で香りを付けたり、香料を噴霧したりし、花をわざと残して香りの弱さを見た目で補います。本来の窨制では花は取り除きます。

他の花

桂花は香りが飛びやすいので短時間で窨制し、花を残す製品が多いです。工芸茶(こうげいちゃ)も茉莉で窨制したものが大半です。虫や品種によって茶葉そのものに生まれる[mixiang]とは、香りの出どころが違います。

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