中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

蜜香紅茶(みつこうこうちゃ)

読み みつこうこうちゃ現地音 ミーシャンホンチャ拼音 mìxiāng hóngchá中国語 蜜香红茶別名 Honey Black Tea、蜜香紅、瑞穂蜜香紅茶、東方美人紅茶

台湾で、小緑葉蝉(ウンカ)に汁を吸われた芽葉を紅茶に仕立てたもの。東方美人と同じ仕組みで蜜とマスカットのような蜜香が生まれ、新竹・苗栗のほか花蓮の瑞穂が産地として知られる。虫まかせの原料ゆえ製茶の出来にばらつきが大きい。

分類紅茶 / 台湾紅茶
産地新竹・苗栗
品種青心大冇(せいしんだいむ)
製法萎凋(いちょう)揉捻(じゅうねん)発酵(はっこう)
外観細い条索状で黒褐色、白い芽が混じる
水色橙紅色で明るい
香り蜜とマスカットのような甘い香り(蜜香)
甘く滑らかで渋みが少なく、余韻が続く

台湾(たいわん)で、小緑葉蝉(しょうりょくようぜん)(ウンカの一種)に汁を吸われた芽葉を紅茶に仕立てた茶です。東方美人(とうほうびじん)と同じ原料と同じ仕組みで、蜜とマスカットのような「蜜香」が生まれます。産地は東方美人(とうほうびじん)と同じ新竹・苗栗(しんちく・びょうりつ)の新竹・苗栗(びょうりつ)のほか、台湾東部の花蓮県瑞穂が蜜香紅茶の産地として知られ、品種は青心大冇(せいしんだいむ)が中心です。

虫が作る香り

夏、小緑葉蝉が芽の汁を吸うと、茶樹は防御反応としてテルペン類などの香り成分を作ります。これが製茶を経て蜜香になり、東方美人では烏龍茶の製法で、蜜香紅茶では萎凋・揉捻・発酵(はっこう)・乾燥の紅茶の製法で引き出します。虫に吸われていない葉からは蜜香は出ず、農薬も使えません。同じ仕組みの香りはマスカテルフレーバーと呼ばれるダージリンのセカンドフラッシュにもあり、蜜香紅茶の香りはそれに似ていますが、蜜香の強さでは蜜香紅茶のほうが上と評されることもあります。

製茶のばらつき

蜜香紅茶は出来の差が大きい茶として知られます。台茶18号の紅玉紅茶が品種の性質で安定して作れるのに対し、蜜香紅茶は虫の付き方まかせの原料で、葉が脆く扱いが難しいため、香りは出ていても製茶に問題のあるものが多い、という指摘があります。上手に作られたものは東方美人に匹敵する香りと甘い余韻を持ちます。

楽しみ方

紅茶としては渋みが少なく甘いので、ストレートで香りを楽しむのが基本です。沸騰した湯で短く淹れると香りが立ち、少し冷ました湯なら渋みが抑えられます。冷やしても蜜香がよく出るため、水出しや冷茶にも向きます。

蜜香紅茶の淹れ方

沸騰した湯を少し冷まして(85〜90℃)蓋碗で淹れる人が多く、30秒前後から煎を重ねて5煎ほど楽しめます。香りを立たせるなら沸騰した湯で短く淹れ、渋みを抑えるなら冷ました湯で、という使い分けは東方美人と同じです。冷やして飲んでも蜜香がよく出ます。洗茶はしません。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク