蔵茶
読み ぞうちゃ現地音 ザンチャ拼音 Zàngchá中国語 藏茶別名 雅安蔵茶、雅安藏茶、康磚、康砖、金尖、南路辺茶、四川黒茶、西蔵茶、Tibetan Tea
四川省雅安で作られ、チベットへ運ばれてきた黒茶。唐代以来の茶馬交易の主役で、南路辺茶とも呼ばれる。成熟した葉と茎を殺青・揉捻したあと渥堆で発酵させ、康磚や金尖の名でレンガ状に固める。チベットではバター茶の原料として日常の必需品で、製法は国家級無形文化遺産。
| 分類 | 黒茶 / 四川黒茶 |
|---|---|
| 産地 | 雅安 |
| 製法 | 殺青 → 揉捻 → 渥堆 |
| 外観 | レンガ状に固めた黒褐色の茶。茎や成熟した葉を含む |
| 水色 | 濃い紅褐色 |
| 香り | 木や薬草のような香りに、穏やかな陳香 |
| 味 | まろやかで甘く、渋みがない。とろりとした口当たり |
四川省の雅安で作られ、チベット(西蔵)へ運ばれてきた黒茶で、行き先の名前から蔵茶と呼ばれます。雅安から康定を経てラサへ向かう道は[chamagudao]の川蔵道で、唐代から茶と馬を交換する茶馬交易の主役がこの茶でした。雲南から運ばれる普洱茶に対して南路辺茶とも呼ばれ、国家標準の茶葉分類では四川黒茶に区分されます。製法は国家級無形文化遺産に登録されています。
製法と製品
成熟した葉と茎を刈り取り、殺青、揉捻したあと、湿った状態で積んで渥堆で発酵させ、蒸してレンガ状に固めます。普洱熟茶より歴史の古い渥堆で、雅安茶廠では発酵の技術を機密として公開していません。製品は等級によって康磚(比較的若い葉)、金尖(茎の多い粗い葉)などに分かれ、それぞれ緊圧茶の国家標準(GB/T 9833)に規格があります。1546年に始まるとされる雅安茶廠は長く国営で、いまも生産の中心です。
辺銷茶として
蔵茶はチベットの人々にとって、肉や乳製品の多い食生活を補う日常の必需品です。煮出した茶にバターと塩を加えて撹拌するバター茶(酥油茶)の原料で、一日に何杯も飲まれます。安定して安く供給することが国の政策として続けられてきたため、蔵茶は[bianxiaocha]の代表として補助金や備蓄の対象になっています。近年は雅安の茶商が都市部向けに高級な蔵茶や散茶も作っています。
楽しみ方
本来はやかんで煮出す茶ですが、蓋碗や茶壺で沸騰した湯を使って煎を重ねても、まろやかで甘い茶が楽しめます。渋みがなくとろりとした口当たりで、食後や冬の飲み物に向きます。
蔵茶の淹れ方
やかんで煮出して飲むのが本来の飲み方で、チベットではバターと塩を加えてバター茶にします。蓋碗や茶壺で淹れる場合は沸騰した湯で、1煎目を短く注ぎ出してから煎を重ね、10煎ほど楽しめます。数煎飲んだあとの葉を煮出して飲み切る人も多いです。
淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。
関連用語
参考リンク
- GB/T 32719.5-2018 黑茶 第5部分:茯茶(国家標準) — 黒茶の国家標準シリーズ(関連資料)
- GB/T 9833.4-2013 紧压茶 第4部分:康砖茶(国家標準) — 康磚茶の規格
- GB/T 30766-2014 茶叶分类(国家標準) — 四川黒茶の区分
- 消観茶論 第69回: 中国の「茶旅」の現状報告(3)雅安茶廠 — 雅安茶廠の歴史、辺銷茶としての政治的な位置づけ、無形文化遺産
- 人民日报 人民周刊: 茶马古道:穿越千年的文化传奇 — 茶馬古道と四川の茶(関連資料)