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潮州朱泥手拉壺(ちょうしゅうしゅでいしゅらこ)

読み ちょうしゅうしゅでいしゅらこ現地音 チャオジョウ ジューニー ショウラーフー拼音 Cháozhōu zhūní shǒulāhú中国語 潮州朱泥手拉壶別名 手拉壺、手拉壶、手拉朱泥壺、楓渓手拉朱泥壺、枫溪手拉朱泥壶、潮州朱泥壺、潮州手拉壺、孟臣壺、朱泥壺、Chaozhou teapot

広東省潮州市の楓渓(ふうけい)を中心に作られる、朱泥の小さな茶壺です。轆轤(ろくろ)を高速で回し、両手で土を引き上げて成形する「手拉坯(しゅらはい)」という技法で作ることから手拉壺と呼びます。江蘇省宜興(ぎこう)の紫砂壺(しさこ)が板状の土を叩いて組み立てる(打身筒)のに対し、潮州の壺は轆轤引きなので胎が薄く、形は円を基本にし、掌に収まるほど小さいのが特徴です。産地では「胎が薄く、身が小さく、把手が細く、口が秀でている」と言い表します。

潮州工夫茶とともに

楓渓は潮州市街の西にある窯業の町で、1300年を超える陶磁器生産の歴史があります。明代の末に、潮州で茶を煮る飲み方から湯を注いで淹れる飲み方へ変わり、工夫茶(こうふちゃ)の習慣が広まると、香りを保ち、熱を保ち、茶の成分をよく引き出す朱泥壺がその定番の器になりました。清代中期には福建の孟臣壺(もうしんこ)を手本にした名工が現れて独自の様式が固まり、清末から民国期には源興号、安順号、俊合号といった家族経営の工房が並び立ちました。戦争で一時途絶えましたが、1980年代以降に老字号の後継者が工房を再興し、現在は潮州の代表的な工芸品になっています。

製作技芸は2014年に「陶器焼製技芸(楓渓手拉朱泥壺製作技芸)」として国家級無形文化遺産に登録され、2021年には「潮州手拉朱泥壺」が国家地理標志保護産品になりました。潮州市は鳳凰単叢に続いて手拉朱泥壺の地方標準も定めています。代表的な伝承人は俊合号五代目の謝華(しゃか)で、中国工芸美術大師でもあります。

紫砂壺との違い

潮州朱泥手拉壺宜興紫砂壺
成形轆轤引き。注ぎ口と把手を手で付ける板状の土を叩いて組む
胎薄く軽い厚みがある
容量小さい。工夫茶の三つの杯に注ぎ切る量小から大まで幅広い
土潮州産の朱泥が本来。宜興の朱泥を使う工房もある紫泥、朱泥、段泥など
位置づけ日常の道具として使う民芸的な性格名工の作品は美術品・投機の対象にもなる

潮州の作家は、宜興の壺を「工芸品」、潮州の壺を「毎日使う道具」と線を引いて語ることがあります。

鳳凰単叢を淹れる器として

胎が薄いので予熱がすぐ入り、茶葉と湯を入れたときに熱が壺の胎に逃げず、中の湯を高温に保てます。鳳凰単叢は高温で短く淹れる茶なので、1分以上蒸らす茶で有利な厚手の紫砂壺より、短時間で一気に熱を当てられる薄い朱泥壺のほうが向く、というのが潮州側の説明です。焼き締まった朱泥は通気性があり、茶湯の甘さを感じやすくするとも言われます。潮州の作家からは、背の低い壺は底が広く葉が開きやすいので香りを立たせたい軽火の単叢に、背の高い壺は葉が広がりにくくじっくり出るので中火から足火の単叢に、という使い分けも聞かれます。

一方で、潮州の茶のプロは香りを確かめるときには白磁の蓋碗(がいわん)を使うのが普通で、「最高級の茶は白磁の蓋碗が一番」と言う作家もいます。壺は茶を美味しく飲むための道具のひとつ、という考え方が潮州らしいところです。

選ぶときの目安

  • 土: 朱泥に弁柄(べんがら)(酸化鉄の顔料)を混ぜると鮮やかな朱色になりますが、通気性が落ちるとして嫌う作家もいます。色の鮮やかさだけで選ばないことです。
  • 形: 底が丸みを帯びた形は壺の中で湯の流れができて香りが出やすいとされ、円柱や角のある形は葉が動きにくいと言われます。
  • 作り: 量産品は注ぎ口と把手を型で作って付けますが、手仕事の工房は胴の個体差に合わせて手で形作ります。蓋の合いと注ぎの切れを確かめます。
  • 偽物: 有名作家の作品は模倣品も出回っています。名前より、手に取って軽さと注ぎやすさで選ぶのが確実です。

使い込むと艶が出るのは紫砂壺と同じで、養壺(ようこ)の楽しみもあります。一つの壺に一種類の茶、という作法も同じです。

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