中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

蓋碗(がいわん)

読み がいわん現地音 ガイワン拼音 gàiwǎn中国語 盖碗別名 盖碗、三才碗、三才杯、蓋付き茶碗

蓋・碗・受け皿(托)の三つでひと組の茶器。茶葉を入れて湯を注ぎ、蓋で葉を押さえながら注ぎ出す。どんな茶にも使え、産地で茶を評価するときの標準的な器でもある。

蓋(ふた)、碗、托(受け皿)の三つでひと組になった茶器です。蓋を天、托を地、碗を人になぞらえて三才碗(さんさいわん)、三才杯とも呼びます。茶葉を碗に入れて湯を注ぎ、蓋を少しずらして葉を押さえながら別の器に注ぎ出す、というのが基本の使い方です。

二通りの使い方

蓋碗には湯のみとして使う方法と、急須の代わりに使う方法があります。

  • 湯のみとして: 茶葉に湯を注いで蓋をし、そのまま蓋をずらして隙間から啜ります。托ごと持てるので熱くても扱えます。四川(しせん)の茶館などで見られる飲み方です。
  • 急須として: 抽出したら蓋をずらし、隙間から[chahai]や茶杯に注ぎ出します。工夫茶(こうふちゃ)の淹れ方ではこちらが主流で、蓋碗は「注ぎ出せる小さな急須」として使われます。

碗の口が広いので大きな葉も入れやすく、葉の開き方や水色、蓋の裏に残る香りを確かめやすいのが利点です。このため産地の茶農家や茶商が茶を評価するときには、茶壺(ちゃこ)ではなく蓋碗を使うのが普通です。

歴史

蓋のついた茶碗は明代に現れ、散茶を湯で淹れる飲み方が定着した清代に広く使われるようになったとされます。清の宮廷では康熙帝の頃から茶器として使われ、乾隆帝(けんりゅうてい)の時代にはさらに一般化したと、中国茶葉博物館(ちゅうごくちゃようはくぶつかん)の研究者が文献と出土品から整理しています。

選ぶときの目安

  • 容量: 100ml前後が一人から数人で工夫式に淹れるときの標準です。高い茶を少量ずつ淹れるには小さめ、日常使いには大きめが便利です。
  • 素材: 白磁が基本です。香りを吸わず水色が見やすいためです。同じ白磁でも釉薬によって味の出方が変わる、という観察もあります。
  • : 縁が少し反っていると熱が指に伝わりにくく、注ぎ出しやすいです。

どんな茶に向くか

基本的にすべての茶に使えます。球状の烏龍茶、岩茶(がんちゃ)、白茶、普洱茶(ぷーあるちゃ)、紅茶のどれも蓋碗で淹れられ、緑茶もガラスのコップで淹れない場合は蓋碗が使われます。茶壺と違って茶の種類ごとに使い分ける必要がなく、最初にひとつ揃えるならこれ、と言われる理由です。

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