中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

青磚茶(せいせんちゃ)

読み せいせんちゃ現地音 チンジュアンチャ拼音 Qīngzhuānchá中国語 青砖茶別名 青砖茶、赤壁青磚茶、趙李橋青磚茶、川字茶、羊楼洞青磚、湖北黒茶、老青茶、Qing Brick Tea

湖北省赤壁市の羊楼洞と趙李橋で作られる黒茶。成熟した葉を殺青・揉捻・日干しして老青茶を作り、渥堆で発酵させて蒸してレンガ状に圧す。清代に山西商人が万里茶道でモンゴル・ロシアへ運んだ辺銷茶で、表面の「川」の字が信用の印だった。製法は国家級無形文化遺産、2022年ユネスコ登録の構成要素。

分類黒茶 / 湖北黒茶
産地湖北省
製法殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)晒青(さいせい)渥堆(あくたい)
外観長方形の固いレンガ状で、表面に「川」の字が押されている。青褐色
水色橙紅色から紅褐色
香り穏やかな陳香と、乾いた木のような香り
まろやかで渋みが少なく、後味が甘い

湖北省(こほくしょう)の赤壁市、羊楼洞(ようろうどう)趙李橋(ちょうりきょう)で作られる黒茶です。国家標準の茶葉分類では湖北黒茶に区分され、緊圧茶(きんあつちゃ)の国家標準(GB/T 9833.9)が規格を定めています。長方形のレンガの表面に「川」の字が押されているのが伝統的な姿で、川字茶(せんじちゃ)とも呼ばれます。

万里茶道の茶

羊楼洞は明代から茶の集散地で、清代には山西商人(晋商(しんしょう))がここで茶を集めてレンガに固め、[wanlichadao]を通って漢口(かんこう)から北へ、モンゴルの草原を越えて恰克図(キャフタ)(キャフタ)でロシアに売りました。19世紀半ばに福建からの道が絶たれたあとは羊楼洞の青磚茶が万里茶道の主な積み荷になり、最盛期には茶荘が二百軒を数えたと伝えられます。「川」の字は羊楼洞の茶荘の商標で、文字を読めない遊牧民でも指でなぞって本物と分かる信用の印でした。モンゴルや内モンゴル、新疆へ運ばれた[bianxiaocha]の代表で、いまも内モンゴルとモンゴル国で日常の茶です。1949年に羊楼洞に残っていた五つの茶荘が合併して国営の羊楼洞磚茶廠になり、1953年に趙李橋に移って趙李橋茶廠となり、いまも川字茶の唯一の継承者とされます。

製法

成熟した葉と茎を刈り取り、殺青、揉捻、日干しして老青茶(ろうせいちゃ)(毛茶(もうちゃ))を作ります。これを積んで渥堆(あくたい)で発酵させ、篩い分けたのち蒸してレンガに圧し、乾かします。六つの工程と七十二の手順があると説明され、レンガは表面に若い葉(洒面(しゃめん))、中に成熟した葉(裏茶(りちゃ))を使う二層構造です。製法は国家級無形文化遺産に登録され、2022年のユネスコ登録「中国伝統製茶技術とその関連習俗」の構成要素になりました。

味と楽しみ方

穏やかな陳香と乾いた木のような香りがあり、味はまろやかで渋みが少なく、後味が甘い茶です。本来はレンガから削ってやかんで煮出し、モンゴルではミルクと塩を加えて乳茶(にゅうちゃ)にします。近年は都市向けに小さく割りやすい製品や、年を置いた老青磚が作られ、湖北(こほく)では暑気払いに冷やして飲む習慣もあります。日本ではまだ珍しく、黒茶の専門店で見かける程度です。

青磚茶の淹れ方

レンガから削った茶葉をやかんで煮出すのが本来の飲み方で、モンゴルではミルクと塩を加えて乳茶にします。蓋碗や茶壺で淹れる場合は沸騰した湯で、1煎目を短く注ぎ出してから煎を重ね、10煎ほど楽しめます。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク