中国茶辞典中国茶・台湾茶の用語とコラム

漳平水仙(しょうへいすいせん)

読み しょうへいすいせん現地音 ジャンピンシュイシェン拼音 Zhāngpíng shuǐxiān別名 漳平水仙茶餅、水仙茶餅、紙包水仙、四角い水仙、双洋水仙、Zhangping Shui Xian

福建省龍岩市漳平で作られる、烏龍茶で唯一の緊圧茶。水仙品種の葉を烏龍茶の製法で仕上げたあと木型で四角く押し固め、紙に包んで焙煎する。清末に双洋で生まれ、紙に包んで運びやすくした独特の姿で知られる。花の香りとまろやかな味で、製法は無形文化遺産に登録されている。

分類青茶(烏龍茶) / 閩南烏龍茶
産地福建省
品種水仙(すいせん)
製法萎凋(いちょう)做青(さくせい)殺青(さっせい)揉捻(じゅうねん)焙火(ばいか)
外観揉んだ茶葉を木型で四角く押し固め、紙で包んだ小さな茶餅。褐色から緑褐色
水色金黄色から橙黄色で澄む
香り蘭や桂花にたとえられる花の香りに、焙煎の甘い香り
まろやかで甘く、水仙らしい厚みがある

福建省(ふっけんしょう)の龍岩市漳平で作られる烏龍茶で、烏龍茶の中で唯一、茶葉を固めた緊圧茶(きんあつちゃ)の姿をしています。[shuixian]品種の葉を烏龍茶の製法で仕上げ、揉んだ葉を木型(きがた)に入れて四角く押し固め、一つずつ紙に包んで焙煎します。四角い茶餅を紙で包んだ姿は他のどの茶にもなく、一目で分かります。製法は2022年のユネスコ無形文化遺産「中国伝統製茶技術とその関連習俗」の構成要素のひとつです。

歴史

漳平(しょうへい)は武夷山の南、安渓の北西にあたる内陸の山地で、清末に双洋(そうよう)の茶農家が水仙の苗を持ち込み、運びやすく保存しやすいように茶葉を押し固めて紙に包む方法を考えたのが始まりと伝えられます。紙に包んだ茶餅は崩れず、湿気を吸いにくく、山道で運ぶのに向いていました。長く地元で飲まれる茶でしたが、2000年代以降に福建省の地方標準が製法を定め、姿の珍しさもあって中国各地や日本でも知られるようになりました。

製法と味

萎凋、做青、殺青、揉捻のあと、茶葉を木型で四角く押し、紙で包んで低温で長時間焙煎します。押し固める前に軽く火を入れ、包んでから乾かす二段階の焙煎が特徴で、紙に包んだまま乾くため香りが茶餅の中に閉じ込められます。蘭や桂花(けいか)にたとえられる花の香りに焙煎の甘い香りが重なり、味は水仙らしくまろやかで厚みがあります。焙煎の軽い清香型(せいこうがた)と、しっかり火を入れた濃香型(のうこうがた)があります。

楽しみ方

紙を外し、茶餅を丸ごと蓋碗か茶壺(ちゃこ)に入れて沸騰した湯を注ぎます。固めてあるので1煎目は葉がほぐれるまで長めに置き、ほぐれてからは普通の烏龍茶と同じように煎を重ねます。一つが一回分の大きさなので、持ち運びや土産にも向き、日本の中国茶専門店でも見かけるようになりました。

漳平水仙の淹れ方

紙を外して茶餅を丸ごと蓋碗か茶壺に入れ、沸騰した湯を注いで葉がほぐれるまで1煎目を40秒前後と長めに置く人が多いです。2煎目以降は短くしてから延ばし、8煎ほど楽しめます。1煎目を洗茶として捨てる人もいます。

淹れ方はひとつではありません。ここでは多くの人がどう淹れているかを書いています。

関連用語

参考リンク